小説 6 「お疲れ様〜!智くん相変わらずよかったよ!あ、ちょっと話あるからシャワー浴びたら下の階に来てねー」 「あ、うん分かった」 あれから三十分、撮影は終わったらしくスタッフ達は器材を抱えて部屋を出て行く。 スカウトの男も部屋を後にし、智と呼ばれた例の若い男はバスルームへと入っていった。 部屋に残ったのは俺と神崎だけ。 「鉄治」 …呼び捨てにするなよ、馴々しい。 「今日はどうしたんだ?」 「………」 「何か用があって来たんだろう。俺が恋しくでもなったか?」 「……馬鹿馬鹿しい」 俺が吐き捨てるように言うと、男は楽しそうに笑った。 「相変わらず、強気だな。ますます俺好みだ」 また、あの低くて甘い声。 自慰をしているとき、頭のどこかでずっと響いていた声だ。 やっぱり原因はコイツにある。 俺は再び怒りが沸き起こるのを感じた。 「……あれから」 「ん?」 「あれから、自慰の回数が増えた」 「それは健康的だな」 「…っ!お前のせいだ!」 「…俺の?」 「お前とのSEXのせいで俺の身体は変わった」 [前へ][次へ] [戻る] |