[通常モード] [URL送信]

小説







朝一番からのバイトはパチンコ屋の店員。


仕事は忙しいが、なかなか時給がいい。


変な客に絡まれたときの対処法もすでに覚えた。


夕方からは知り合いの紹介で始めたバーで働いて、それが終わると今度は道路工事の現場で交通整理をする。


結果、帰りはいつも朝方近く。


睡眠時間は一日三、四時間程度。


さすがにそれが毎日続くと身体を壊すので、週に一回土曜日だけは何もバイトを入れない日を作っていた。






「お疲れさまでした」


「おうお疲れー!お前働きすぎなんだから、明日の休みくらいゆっくりしろよ?」


「あ、はい、どうも…」




現場の先輩に挨拶をして、帰路に着く。


暗い夜道に吹く秋の気配を感じさせる涼しい風が、疲れた身体に心地いい。


家に着いたら早々にスエットに着替え、そのまま倒れこむようにしてベッドに横になった。




――ほんと、疲れた…




しばらく目を閉じたままぼーっとする。


目を閉じると浮かんでくるのは一つの光景で…


また俺の手は自然と自身に伸びていた。





[前へ][次へ]

3/21ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!