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小説




「……本当に、ちび?」


「…っうん!うん!」


「なんで、人間…?」


「…分かん、ない…起きたら、こう、なってて…!まさゆきに、嫌われる、嫌だったから、隠れ、てた…」




……あれは隠れてたのか。


それにしても、これからどうしたものか。


うーん。




「……とりあえず、座れ」


「わん!」




……うん、やっぱりコイツはちびだ。









色々なことを質問してみたが、ちびがたどたどしい口調で答えるのは「朝起きたらこうなっていた」ということだけ。


本人(本犬?)にも理由は全く分からないらしい。


これ以上聞いても特に得られるものはなさそうだったので、とりあえず大学に行くことにした。


帰りに服でも買ってきてやろう。


いつまでもあの格好でいられると、ちょっと俺のプライドが傷つく。






「じゃあ、行ってくる」


「う、ん…」


「……いい子に、してろよ?なるべく早く、帰ってくる」




淋しそうなちびが少し可哀相になったので、そう約束してから背伸びをして頭をポンポンとたたいてやる。

するとちびは


「わん!」


と、先程と同じようにいい子の返事をした。


それに安心して、俺はようやく大学へと向かうことが出来たのだった。





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