3.
そのあと、ドア越しに黒井から次の学校は[氷帝学園]になったと聞いた。しかも明日から。
って…ちょっとまて![氷帝学園]っつったら東京いちの坊ちゃま学校じゃねぇか!はぁ…どうするんだ私…
しばらく悩んだ結果、退学にならないためには[地味にやっていくしかない]という結論にたどり着いた
机の中から、母さんが昔使っていた眼鏡を取り出す。これをかけていた母さんは、とても地味だったのを昔の記憶から掘り出すと、実際に身につけて鏡を覗いてみた
笑ってしまうぐらい地味だ…
私はそれを大切にケースに入れて鞄にしまうと、みんなに会うのがなんか気まずくて、夜飯も食べずに眠りについた
「麗いってらっしゃい」
「気ぃつけろよ!」
「頑張っていってこい」
「「「お嬢!いってらっしゃい!」」」
転入初日の朝。誰にも気づかれずに出て行く予定だったのに、中庭には、兄貴や親父、舎弟達がいた
どうして、こんな私なんかに構うのか…未だに分からない。でも、そいつらの笑顔は朝日に負けないくらい爽やかで、昨日みんなを醜いと思ったことを訂正した
醜くいのは[私]だと
←
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!