2. 「おい、高橋。お前、保護者はどうしたんだ?」 「保護者なんていません」 「…は?」 担任の先公の前に用意されていた2つの椅子。その片方に腰を下ろすと、案の定親のことについて聞かれた もちろん来るわけないだろう!! 「いや…。保護者は…」 「だからいません。早く始めましょう」 「高橋…そういう訳には…」 あ゛!?だからいないっつってんじゃねぇかよ!! 右に握り拳を作り、思いっきり机に向かって振り落した。が、私が机を叩きつけると同時に、突然バーンと扉が開くでかい音がし、私と先公は一斉にそっちを向く。なんとそこには、予想もしてなかった人が立っていた 「喜一さん!!お嬢のゴミ箱からこんなものが!」 「ん?」 エプロン姿でダイニングに現れた和弥。掃除機を片手にくしゃくしゃに丸めてある紙を渡すと、親父はそれに釘付けになって読んでいた 「三者面談?」 横に座っていた美喜男がそれを覗き込む。 三者…面体?なんだそれ。…まあ、俺には関係ないだろう。そう思い、横に置いてあった新しいバーの広告に目を通した 「麗の奴、隠しおって!」 「しかもこれ…今日じゃない?」 「あっ!ほんとっスね!」 「しかし、今日は会合があるからなー…。美喜男、お前変わりに行けるか?」 「あー。行きたいのはやまやまだけど…大学院の教授に呼ばれちゃって」 3人の会話が気になり、ふっと顔をあげると、奴らと思いっきり目が合ってしまう 「あ゛?」 「おー真喜男。お前、麗の三者面談に行って来てくれ」 「は!?」 「真喜男しか行ける人がいないんだよ。大丈夫。学校に行って先生と話すだけだからさ☆」 学校だと!?しかも先公と話す!? 「絶対に行くか!!!!」 「そういうな真喜男。麗の様子を見てくれればいいだけだ」 「んなん面倒くせぇだけじゃねぇかよ!!!」 勢いよく立ち上がり、俺は一刻も早くこの場を離れようとした。すると突然、黒井が俺の前をふさぐ 「はぁ…。黒井、あれを見せてやれ」 「はい」 そういってポケットから真っ白な封筒を取り出すと、中からチケットのような長い紙を俺にチラリと見せる [CLUB☆アゲハ 3時間ハーレムしちゃうぞっ!] クラブ・アゲハ… 確か、巨乳でかわいい子がいっぱいいたところだ 俺の頭の中で数々の妄想が繰り広げられ、鼻の下が思わず伸びる。はっと現実の世界に引き戻されると、おれは親父に向かって声を張り上げた 「麗の三者面体…行ってやろうじゃねぇかー!!!!!!!」 「兄貴!!かっこいいっス!!」 「はっはっはー!!!」 「フフッ。三者面体じゃなくて三者面談だよ☆」 「かなり心配だが…頼むぞ真喜男」 「僕も大学の用事が終わったら学校に行くよ」 「……で、三者面体ってなんだ?」 「「「…………」」」 . ←→ |