2. こんのクソ急がしいときに次から次へと命令しやがって、あ゛ぁ!?いい加減にしろや!! 怒りにまかせて、ガッと地面を踏みつけると私の足跡がクッキリと残る。今後のことを考えながら、はぁ…とため息をつくと、やることを頭の中で再確認し部室へと向かった 「麗…さん」 いきなり名前を呼ばれ、後ろを振り向くと、樺地が私を見下ろしている。かなり抑えめに奴を睨み上げ、「なんですか?」と投げやりに聞くと、思わぬセリフが返ってきた 「麗先輩…大丈夫ですか?」 「え?」 「顔色…悪いですよ」 まあ、最近思うようにストレスを発散できず(主に喧嘩だが)部活ばっかで、体がついていかない。しかもこの新しい環境は、あまりにも異世界すぎて正直、疲れが溜まっている 「気のせいですよ」 こいつになんか頼りたくない。いや、こいつらになんか頼るもんか そのまま部室へと前進しようとすると、バッと奴の馬鹿でかい体で道をふさがれた 「麗先輩…少し休みましょう」 「いや、おかまいなく」 そう言って別のルートから行こうとすると、また奴が私の前をふさいぐ 「いったいなんなんで…」 「麗先輩は…」 「?」 「…色々なことを抱え込み過ぎています」 (人を信用するんじゃない) 「部活や学校以外のことも…支えきれないくらい抱えているんじゃないんでしょうか…」 (お前なんて死ねばいい) 「っなんでそんなこと分かるんですか。私はなにも…」 「…俺には…分かります」 (麗、母さんは死んだんだ…。いい加減、受け入れろ) 「…頼って下さい…麗先輩。俺は…先輩の味方ですから」 「別にそんな、綺麗事は…いらない」 「綺麗事じゃ…ありません。…だから麗先輩、俺……俺たちを頼って下さい」 そういって、汗臭い樺地の匂いが、空気いっぱいに広がる。それと同時に、奴の言ったことが頭の中で何回もリピートし、ピンッと張っていた糸が一本一本緩んでいく。それがすべて緩んだのか、緊張感が一気に解けて、私は無の世界へと引きずり込まれた . ←→ |