1.
「う゛」
目の前の野郎どもの顔は青あざと血だらけで、体は床に横たわってる。そいつらの血がにこびりついたのか、私の白いカッターシャツに赤いシミが何ヶ所もできていた
ひとりの男が体を震えながら私を見ると、そいつは慌てて体を引っ張り起こして、扉へと向かおうとする
だが、そいつが逃げる前にシャツのエリを掴みあげた
「榊!ほんと悪かった!もうてめぇには手ださねぇから!今日のところは許してくれ!」
ばかじゃねぇのか、こいつ。
私は右手で掴んでいたそいつ体を目一杯床に叩きつける
「うあ゛っ!」
こいつらは強いと思って期待してたのに、正直がっかかりだ。そう思いながら体育館の一番大きい入り口を出ると、空は曇りで、今にも雨が降り出しそうだった
やべぇ 傘もってきてねぇよ…
すると後ろからず太い声が聞こえてくる
「榊!」
振り向くと、生徒指導の鬼で有名な体育科の先公が私を睨みつけていた
「なんだよ!あ゛!?」
「そこの体育館で、男子生徒が何人も倒れていた。お前がやったんだろ!」
「そうだっつったら?」
「こい!」
その先公は腕を掴むと、私は校舎へと引き戻されていった
「今回は停学ですむと思うなよ」
そんなの言われなくてもわかってるんだよ。
さすがにこの場で先公をボコることはできず、私はそいつの後にただただ着いていった
「お前はどうしようもない人間だな」
雨ザーザーと鳴り、音が廊下に充満している中、先公がそう呟いたのを私は聞き逃さなかった
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