3. ガシャン!っと音をたて、私の持っていたカップは見事に受け皿に着地する。紅茶が跳ねて制服に付いたが、そんなことはしょうみ、どうでもよかった。 「なっなに言ってるんだ?」 「マネージャーのことだ。大変だが、やりがいはある。」 「誰がやるか!」 「それに、お前を側に置くこともできるしな…」 「!…」 「…兄さんもそうだが、さっきも言ったように私はお前が心配だ。入部してくれれば、お前になにかあったとき、手をかすことができる。それに…」 「あ?」 「お前、まだ父さんに言われたことに縛られてるんじゃないか?」 「っ!」 この人はいったいどこまで私のことを理解しているんだろう。まるで、私の全てが太郎に見透かされているようだった 「あいつはもう死んだんだ。いつまでも、従う必要はない」 「でっでも!」 「克服したいんだったら、なにか新しいことを始めてみたらどうだ?」 「う゛っ…」 太郎にそんなことを言われてしまい、反論する言葉が底をつきてしまった私。う゛ーん、と悩んでいると、大きな手が私の頭の上にのっかる 「…心配するな、なにかあったら私がいる」 その言葉がとても心強くて、私は思わず頷いてしまった。 (…親父達にこのこと言うなよ) (分かってる) ← |