2.
中庭に静けさが戻ると、私はそのまま芝生に座り込む。あのまま、奴らを殴ってたら[退学]…いや、この金持ち学校の場合だったら退学以上のことになっていたかもしれない…そう思うと、思わず身震いをしてしまった
あのじじいの声が聞こえたとき、一瞬理性を失いかけた
奴は2年前に死んだのに、そいつの言葉が、教訓が、頭の中から離れなくて私の全身全霊を支配する。もうこれは確実に[呪い]だ。でも、その言葉を正論だと思う私は…いったいなんなんだろうか
教室では、数式のオンパレードで禿が「ここ、試験に出すぞー」とほざいてやがる。しかし、今日は10回以上そのフレーズを聞いていて、こいつふざけてるのか!?と思った。イライラを発散させるため、奴にガンを飛ばすと殺気を感じたのか、一瞬そいつの手が止まり、汗をダラダラと垂す。いい気味だ
その数秒後にベルがなり、昼の時間となる。今日は奴らに掴まんねぇようにしなきゃな…と思った矢先、隣の眼鏡に腕を掴まれた
「高橋さん、昼行こうや!」
「いや、今日は独りで食べるんで…」
「えー、なんでなーん?寂しいこと言わんといてやー」
てめぇは女子か!と某芸人のように突っ込みを入れると、突然教室が騒がしくなって赤髪と巨人、あとジャイアンという嫌ーな奴らが入ってきた
「クソクソ侑士!何、高橋の腕つかんでるんだよ!」
「おい忍足、そいつを早く離せ!」
「なぁなぁ、高橋さん今日は1人で昼ご飯食べんねんてー」
「アーン!?お前に拒否権なんてあると思ってのか?」
てめぇ日本国憲法の第14条を読め!「全て国民は、法の下に平等である」って書いてあるだろ!あ゛ぁ!?
「え゛ー。俺高橋と昼食うの楽しみにしてたんだぜー」
だからピョンピョン飛ぶな赤髪。カエルって名前付けんぞ、ごらぁ!
「と言う訳や!屋上いくで!」
「ウッス!」
「…って、高橋を離せ忍足!」
眼鏡に引っ張られながら、やっぱり屋上に向かう私。後ろでジャイアンや赤髪がギャーギャーうるさかったが、無視だ。途中さっきの女子と目が合ってしまい、一瞬焦るが、まあいいやと思って、私はそいつ等に着いていった
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