3. 「…すいません。まさかそんなことを思ってたなんて…意外です」 いやいや、思いっきり顔に出してたぜ?なんでここにはこう鈍いやつが多いんだよ。金持ち学校の癖に教育が行き届いてねぇんじゃねぇのか? 「僕の目標は、跡部先輩を下克上することなんです。だから、先輩を追い越したときにさっき先輩が言ったこと、伝えておきますから」 「…よろしく…お願いします」 「ククッ」 そう笑いながら本を畳むと、2時間目の終わりが近いのか、そいつは席を立って学園指定の鞄をゆっくりと持ち上げた 「先輩たちが言ってたこと、今なら少し分かるような気がします。…さっきはいきなり、すいませんでした」 「いや…別に…」 「今日のお昼、どこで食べるんですか?」 「はっ?」 「…高橋先輩が屋上に来るの、楽しみにしてますから」 奴が少し耳を赤らめながら、早口で言うと、目にも留まらぬ速さで図書室から出ていった そこでひとつ私の中で疑問が浮かぶ… [なんであんなやつに愚痴ってしまったのか]と 授業終了のベルが鳴り、廊下が少し騒がしくなると、私の中で1つ、認めがたい答えが浮かび上がった あいつ…私に似てる まあ少しだけだけどな。 今日も、屋上で昼飯か… ← |