2.
「…じゃあ逆に聞きますが、あなたこそなんでここにいるんですか?」
「英語の先生が休みで、休講になりました」
「ふぅーん」
「で、あなたは…」
「あぁ…サボり」
当たり前、という感じで日吉に言うと、奴はいきなり視線を本から私へと移した。あー、顔まで歪んでるし
「授業に出ないと、進学危ないですよ。この学校、出席回数で成績の1/3が決まりますから」
「あー、ここの大学行くつもりないんで」
「…」
少し驚いた表情をする奴は、そのままゆっくりと視線を落とすと[世界の七不思議]というつまらなそうな本を再び読み出す
「麗先輩…あなたは、なにがしたいんですか?」
「っは?」
「跡部先輩に気に入られ、他の先輩も面白いだのなんだの、おまけに鳳や樺地まで…」
ちょっとまて…
「…何が言いたいんですか?」
「僕たちに取り入って、一体あなたの目的は何なんです!顔目当てですか!?それとも…」
「別に目的とか欲望とか、そういうのは全くないのでご安心を」
「じゃっじゃあ…」
「正直、あなた達とは関わりたくないです」
「へっ?」
「しっかし、あのジャイアンは何なんです。ダチになれだの、俺様のものだだの、部活見に来いだの、毎日毎日ネチネチネチネチ…あなた!」
「っはい!」
「あの俺様野郎をなんとかして止めて下さい!あいつの後輩でしょう!だから…」
「…クククッ」
「はぁ?」
七不思議の本を盾にいきなり笑い出したそいつは、あの腹黒い兄さんより奇妙で不気味で…正直寒気がした
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