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2.

今日は珍しく和弥が寝坊して、昼は購買でパンを買うことになったんだが…

人多っ!パン戦争じゃねぇかよ!

人が購買の前でぎゅーぎゅー詰めになっていて、もはや食べ物に群がる獣にしか見えない

でも、そこでパンを買わないと今日の昼ご飯は0なわけで。私は意を決してその群れに飛び込んだ

押し倒したい衝動を抑えながら人と人の間をくぐり抜けて、ようやくカウンターに着くとクリームパンと紅茶のパックジュースを頼むことができた。

「おばちゃん!クリームパンひとつ!」

うるさい声が聞こえて、横を見るとそこには昨日の赤髪少年が昨日よりまたさらに凄いジャンプをしていた

「ごめんねー。もうさっきので売り切れなんだよー」

「えー!!!!」

そいつの声がやけに脳に響いて、頭がフラフラした

「俺!今日は絶対にクリームパンって決めてたんだぜ!ほんとうにないのかよー!」 

「ごめんなさいねぇ」

だーもう!耳元で叫ぶんじゃねぇ!!

私はもう我慢の限界で、そいつ手にさっき買ったクリームパンを押しつけると、群れを離れて、教室に戻ろうとした

「おい高橋!」

「…なんですか」

「お前!このパンいいのかよ!?」

「あぁ…お腹いっぱいなんでいいです。では」

これ以上こいつに絡んではいけないと思い体を反転させて教室に向かおうとしたが、奴がいきなり私の腕を掴んだ

「ありがとな!」

「別に…って腕はなしてくれませんか?」

「俺たち、屋上でいつも食べてるんだ。高橋も一緒に食べようぜ!」

嫌ですという前に、そいつは私を引きずっていて、もう断る気力さえもなかった

「お前って意外といい奴なんだな!俺、向日岳人!よろしく!」
 

よっよろしくって…誰も仲良くするなんて言ってねぇぞ。

こいつは学校で有名なのか、階段を上ってる最中周りから注目を浴び、私の地味ライフは終わったと思った。いや、初日からあのジャイアンに目を付けられた時点で、私はもう終わっていたに違いない。


私の気持ちとは逆に、その向日っつうやつが、ニコニコしながら「侑士は…」とか「跡部は…」とかベラベラ喋ってって…正直うざい。最上階に着くと、奴は財布に付いていた鍵を取り出し、それで屋上の扉を押し開けた


 



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