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1.
 
夢を見た

朝起きたら母さんがキッチンにいて、テーブルには親父とじいさんが一緒に新聞を読んでああだこうだと話し、真喜男と兄さんがたわいのないことで、口論している。

ダイニングに入るとみんな笑顔で「おはよう」と言い、母さんが私に暖かい紅茶とトーストを渡した。

そして、じいさんが「遅刻するぞ」と言って急かすと、私は玄関で靴を履いて急いで中庭を通り過ぎる。門のところには彰、章司、亮太がいて「麗さん!」と私を呼んだ。

そして後ろを振り返ると、みんなが「行ってらっしゃい」と見送ってくれた

そんな当たり前のようで、ありえない夢











「おはよう高橋さん!…ってその傷どうしたん?」

今朝見た夢と同じような笑顔をしてきた眼鏡は、私の左頬を指差す

学校が終わったあとの帰り道で、肩がぶつかっただけで野郎達に絡まれ、それでできた傷なんて言うことなんてできず、「別に…」と適当に返しておいた

「…高橋さんはほんまにおもろいなぁ」

「は?」 
「だってこの学校にいる女ってみんなチャラチャラしてるっていうか、馴れ馴れしいやん?せやし、高橋さん見たいな人っておらんから、めっちゃ新鮮やわ!」

何が新鮮だ。こっちの心は奴らのせいで腐りかけてるって言うのに。卒業したら、こいつらを一発殴ってやる

机の下で指の骨を一本一本鳴らしたのと同時に、数学の先公が入ってきた。その数秒後に授業開始のベルがなり、禿散らかしたオッサンが号令をかける。そんな中で、私の学校生活2日目が始まった

 



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