炬燵と熱

外は寒い。
当たり前だ、雪が降ってるんだから。
昨日から降り出して、もう20pぐらい積もってしまった。
雪かきが大変だ…とか思ったが、

今は、このぬくもりが愛しい。



今、俺の部屋の、小さい炬燵に、高校生の標準体型の、しかも男2人で入っている。
狭いことこの上ない。
狭いとしか言えないもん。

そんでもってコイツに引っ付いてる、…いやコイツが俺を抱きしめて寝てるから、どんどん俺の体温が上がっていくわけで。

ただでさえ炬燵に入ってかれこれ1時間だ。
熱い、いい加減、熱い。


どうにかして腕から逃げようかと思ったが…そうするとコイツが悲しそうに眉に皺がよる。
それが、本当に、なんか可哀想で、結局そのまま。


でも、あつい。
本当に、あつい。


炬燵の熱と、コイツの熱が、どんどん俺の熱を上げていく。

あついよ。

でもこの熱さが心地よい。


あぁ今、俺とコイツは一緒なんだ。
一緒にいれるんだ。

それが幸せ。


一緒に入れることが幸せ。

コイツの腕の中に入れることが幸せ。


全てが幸せすぎて、いつか、この幸せが崩れてしまう時のことを思うと、胸が締め付けられそうだ。

あぁこの先もずっと一緒にいたいよ。
ねぇ一緒にいたい。

例えあつくてもさむくても、お前となら一緒にいられるよ、俺。

幸せだよ。本当に。


眠る奴の胸板にさらにしがみついて、
あついと思うが、俺も寝た。


その時不意に俺の片目から涙が一粒こぼれたが、

きっとすぐに乾いてしまうね。



あぁ幸せ。


悲しくなくたって、幸せだからこそ、涙が出るんだよ。



END



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