計画実行

許さないよ

何度も何度も

僕だって、いい加減、

許さないんだから。


そっちがその気なら…

僕だって、やってやるっ!





「なぁ、美貴」
「何?」
「お前、昨日どこにいた?」
「昨日?うーんとね、家でテレビ見てたよ」
「…ホントか?」
「本当だよー。…あ、お腹すいたからコンビニにも行ったよ」
「ッ俺が言ってるのはそういうことじゃないっ!」
「…じゃあ何が言いたわけ?さっさと言えばいいでしょ?」


僕の彼氏、遊は名前のごとく、何に対しても遊びまくる性格。
ゲームでも何でも、…勿論、浮気に関してもね。


僕と遊が付き合いだして半年経った。
その間に遊は何回浮気したんだろうね。
前まで回数数えてたけどさ、もういい加減うざくなってやめちゃった。
だって数えるだけ無駄だもん。
僕が浮気はやめて!って言っても、
その時だけ「悪い!もうしないから!」って言ってごまかして。


いい加減、うざいから、本当にうざいから、だから、僕もやったんだ。
浮気には浮気をもって制する。
それが僕が導き出した答え。
そして、その先にある、思惑…。


「お前昨日、スーツ着た人と、ラブホに行っただろう」
「うん、行ったよ。あの人かっこよかったでしょ〜ああいう人も好みかも」
「ッ!お前、浮気して良いと思ってるのかよ!?」
「はぁ?何言ってるの?先に浮気したのそっちじゃん。てか、浮気を何度も繰り返して、その度に僕が『やめて!』って言ってもやめなかったのはどこの誰?」
「そ、それはそうだけど…」
「だったら、遊が僕を責める資格なんてないよ、全くね」


そう、遊にとやかく言われる筋合いはない。
だって一番悪いのは遊だもの。
僕は悪くない。
遊さえ、浮気をしなければ僕だってしなかった。


だって、これは遊への復讐であり、僕の考え出した、計画なんだもの。


「………悪かった…。もう、今後絶対浮気なんてしないから、だから美貴もしないでくれ…」
「それ、絶対守れるわけ?今までだって同じような台詞聞いたことあるんだけど」
「今度は本当だ!だから、お前も……」
「……はぁー分かった。いいよ、僕も浮気やめる。てか別に僕は浮気続けるつもりなんてなかったけどね」
「ごめん、ごめんな、美貴」


そういって遊は僕を抱きしめてきた。
強く、強く。


でも、この言葉は本当に信用出来るのかな?


「…ねぇ、遊。僕が浮気したって知った時、どんな気持ちだった?」
「そ、そりゃあ、信じられなかった。あとは、あのスーツ来た奴に攻められてるかと思うと…」
「ん?あー違う違う」
「何が?」
「僕がタチだったの、あの時。スーツ来た人はネコだよ」
「べっ!ま、まじかよ!だ、だってお前…」
「うん、僕もタチは無理かなーって思ってたんだけど、あの人がどうしてもって言うからさー」
「それで…タチをやったと?」
「そうそうー。意外に良かったよー」
「…へ、へーそう、だったんだ」
「うん、遊の気持ちがちょっと分かった気がした」
「………美貴、俺、本当にもう浮気なんてしないからな」
「勿論でしょ!これで浮気なんてしたら…もう流石の僕も許さないからね」




そう、絶対許さないよ。

次、もし浮気なんてしてみろ。


そしたら、


僕が、


遊を、






ク ッ テ ヤ ル





END

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