黄蝶
13 side:轟
不二先輩に翡翠先輩を連れて応援に来るよう頼まれた。
・・・。
うん、あれは頼まれたんじゃない。
脅しだった。
あの笑顔は脅しだった!
っと、それは良いとして、選手宣誓をカッコ良く済ませた先輩を連れてテニスコートに向かった。
すると、先輩の目はまるでバスケをしてる時のように光っていた。
いや、それ以上だったかもしれない。
雰囲気でヒシヒシと伝わってくる。
テニスがしたいのだと。
それなのに、先輩は試合の途中で帰ると言い出した。
まだ観ていたい、そう思ったのは俺ではなく先輩でしょ?
本当は最後まで観たいんじゃないの?
あ、もちろん俺には不二先輩からの圧力も加わってるけど。
だってスゴイんだよ。
あの笑顔は怖い。
絶対帰るな、って顔が言ってる。
でも、それは先輩の発言に負けた。
先輩と1 on 1なんて魅力的すぎる。
何度もやってるけど、実力に差があって勝負にならないけど、楽しいから。
バスケができることが。
いや、先輩とバスケができることが。
いや、先輩と・・・。
先輩は知らないだろう。
俺の"好き"の意味を。
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