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黄蝶
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「翡翠ーーー!!」

翌日、朝練を終え教室に行くと、日課が起こる。

先に教室に来ていた菊丸に抱きつかれるのだ。

そしてそれを不二が引き剥がす。

「おはよう、翡翠」

『あぁ、おはよう。不二』

「えーー、俺にはーー」

ワーワー騒ぐ菊丸は放って、不二にだけ朝の挨拶を返し席に着く。

周りからも朝の挨拶をされ、それ一つ一つに返すのは大変なため、一度だけ皆に向けて挨拶を返す。

そこまでが俺の日課だ。

「昨日マネージャー希望の女の子が来たんだって?」

俺の後ろの席に座りながら不二が聞いてくる。

そこが不二の席なのだ。

俺の隣りには菊丸。

だが、今そこに彼の姿は無い。

どうしたのだろうか・・・。

まぁ、大体不二に何かされたのだろう。

いつものことだ。

『なんで知ってんの?』

「さっき青井君に会ってね。愚痴られたんだよ」

足を組んで横を向きながら不二と話す。(もちろん菊丸の席の方に背中を向けるが)

担任が来るまでにはまだ時間に余裕があるのだ。

『あぁ、うち女のマネージャーとってないから』

「翡翠のところにそういう子が来たら追い返しといてって頼まれたよ」



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