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黄蝶
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ついに関東大会が幕を開けた。

「それにしてもー、翡翠先輩のせんせー、かっこよかったッスねー」

俺は今、バスケの開会式が行われていた体育館からほど遠くないテニスコートに向かっていた。

決してリョーマ君との約束を果たそうと思ったわけではない。

隣で独り言を言っている、このやる気があるのかないのかわからない男、轟竜磨に連行されているのだ。

彼の言うせんせーとは、今日俺が開会式でやった選手宣誓のことだ。

決して先生のことではない。

抽選で1番を引いてしまった俺は、その大役を担わなくてはいけなくなった。

まぁ、自分で引いたクジだから文句は言わない。

「他校のマネージャーの子とかー、応援来てた子たちー、キャーキャー言ってましたよー」

で。

そんなことはどうだっていい。

なぜ竜磨は俺を連行している。

俺は帰ろうとしたんだ。

今日は開会式だけだったから、帰って練習しようと思っていたのに。

「そんな睨まないでくださいよー。俺だって頼まれたんですからー」

俺の心を読んだのか、雰囲気を察したのか(恐らく後者だろう)竜磨が頭を掻きながら弁解する。

『頼まれた?』

誰に?

何を?

「不二先輩にー、初日翡翠先輩連れて応援来てねってー。ちょー怖かったっすよー、あの笑顔ー」

うん・・・。

君に非はないよ。

俺だって周助は怖い。

ってか俺に言えばいいのに。

席前なんだぞ!

竜磨に頼むより近いだろ!!

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あきゅろす。
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