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黄蝶
3
「ごめんね、うち、女の子のマネージャーはとってないんだよ」

先ほど彼女に声をかけたマネージャー基、青井省吾が彼女に告げる。

彼も顔には苦笑いが浮かんでいた。

「あれは絶対部長目当てですね」

『何言ってんだ』

隣りにいた後輩に言われ、俺はそっけなく返す。

「部長はわかってないっすよー」

『何が?』

「いや、良いすッ」

口々にそういう後輩とそれを見て笑う3年。

俺たちの中に堅苦しい上下関係は無い。

「省吾ーー、ドリンク!!部長に怒られるぞーー」

いまだに粘られているマネージャーに声をかけたのは3年生。

選手は同級生も後輩も部活中は俺のことを“部長”と呼ぶ。

それが、バスケ部のルールだ。

上下関係がゆるい分、しっかりとまとめるためには上のモノの地位が必要だという顧問の考えからだが、それに逆らうものはいない。

部長は選手、顧問、先輩、マネージャーの全員一致で選ばれるからだ。

とはいっても部活が終わってしまえば、呼び方は自由である。

マネージャーはあくまでマネージャーなため名前で呼ぶが。

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あきゅろす。
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