黄蝶
19
「今日は悪かったな」
『あぁ、気にしないで。頑張ろうな、お互い』
そう言ってお互いの手を握り健闘を祈る。
「にしても、バスケ部は学年関係ないんだな」
モップかけや片付けをする部員を見て手塚が興味深そうに聞く。
うちの部は1年が雑用よろしくモップや片付けをするのではなく、全体を3つに分け、ローテーションで行う。
皆で使ったものは皆で、と言う考えだ。
バスケができることへの感謝も忘れない。
そうして俺らバスケ部は強くなってきたのだ。
このやり方だけは何があっても変えたくない。
それを手塚に伝えれば、素晴らしいことだと褒められた。
俺もモップがけをしなければならないため、手塚と分かれモップを取りに行く。
俺もA班だからだ。
今年は何人がやめていくのだろう、と今後の練習を想像しながら考えていた俺は、A班になった1年が端で喜んでいたことを知らない。
一方片付けのB班では・・・
「青井先輩、班替えってないんですかー?」
「なんだ急に」
「俺も部長と同じ班になりたいっす!」
「不公平っす!」
「俺もそれ思った!」
「なんかさ、ほら、1ヶ月に1回とか!」
「お前ら、席替えの乗りで言うなよ。部長様に頼んでみれば良いだろ。俺も部長と同じ班になりたいですー!って」
「「「「ムリです」」」」
部長大好きな部員たちとそれに困るマネージャーであった。
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