黄蝶
14 side:青井
「すげー」
「スゴい」
「・・・」
「あれが、バスケ部の部長」
翡翠が反復横跳びを始めれば、所々からそんな言葉が聞こえてくる。
ペアである菊丸は構わないと思うが、他の人たちはちゃんとペアの人の数数えてるのかな、と気になる。
そりゃ、翡翠のスゴさが気になるのはわかるけど、今はちゃんとペアの記録をしないと。
それにしても、翡翠はこの1年でまた身体能力上がったな。
上がらないとおかしい練習をしているのだから、当然なのだが、それにしても彼の成長は著しい。
それに・・・
彼は元々身体能力が優れていた。
入部したときにはすでに当時のレギュラーと対等だった。
なにか運動をしていたのだろう。
バスケは初心者だと言っていたから、バスケではない。
確かにバスケの腕は初心者だった。
センスがあったのか、はたまた彼の運動神経のよさか、努力の賜物か・・・
いや、きっと全部が重なってのことだろう。
彼はみるみるうちに才能を開花させた。
今では部長だ。
中学生日本一の選手とも言われるような腕前だ。
あらゆる中学から注目されている。
「はい、次は柔軟」
俺は反復横跳びが終わるのと同時に声をかけた。
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