黄蝶
12
仮入部期間も終わり、1年生の入部届けが提出された。
今年の入部は10人。
うん。
「うちにしては多いな」
青井の言葉に頷き、身体能力テストの準備を進める。
身体能力テストとは、いわゆる、スポーツテストのバスケ部バージョンだ。
これは俺らも一緒にやることになっている。
この1年でどれだけ身体能力が向上したかを図るためだ。
まぁ、バスケ部の恒例行事と言えよう。
しかし今年はいつもとは少し違った。
『集合』
俺の掛け声で、各自散らばって準備運動をしていた部員が集まってくる。
それと同時に体育館に姿を現したのは、手塚率いるテニス部だ。
『今年はテニス部も一緒にやることになったから』
事後報告だが仕方ない。
俺だって今日言われたんだから。
「すまないな、急に」
『構わないよ。今日はフィジカル面だけだから』
部長同士挨拶をすると、ペアを作るように青井から指示が出る。
お互いに記録をするためだ。
『手塚「翡翠、俺と組むにゃー」』
俺はちょうど目の前にいた手塚と組もうと誘おうと思ったが、いきなり菊丸が飛び付いてきたことにより、それはできなかった。
『菊丸?いいけど・・・』
俺は成り行きで決まったが、他もペアはできたらしい。
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