黄蝶
8 side:越前
「越前、お前近江先輩とだろー。大変だぞーー」
委員会も終わり、部活に向かう中、急に後ろから先輩らしき人(間違いなく先輩)に言われ振り返る。
「何がっすか」
「だってよー、俺去年近江先輩とだったけど、ちょー忙しかったぜ」
「あぁ、近江先輩目当ての女だろ?見ててすごかったもんなー」
「女?」
「あぁ、近江先輩ってあの容姿だろ?」
「それにバスケ部の部長やってるくらいだから、運動もできるし」
「成績は常に上位で頭もいいし」
「「「学園1の人気者だぞ」」」
「ふーん」
会話をする先輩たちに、俺は興味なさげに返す。
「でもお前ら俺のこと羨ましがってたじゃん」
「そりゃーそうだろ。だってそこらの女よりも美人だぜー」
「色気もあるし」
「「それを独占できるんだからさー」」
先輩たちの話はどんどんヒートアップしていく。
「ま、頑張れよ1年。あの人自身は優しいから心配すんな」
そう俺にはにかんで去っていった先輩たち。
しかし俺は名前も知らない。
いらない忠告をありがとう。
そう思うことしかできなかった。
その時は・・・
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