[携帯モード] [URL送信]

黄蝶
8 side:越前
「越前、お前近江先輩とだろー。大変だぞーー」

委員会も終わり、部活に向かう中、急に後ろから先輩らしき人(間違いなく先輩)に言われ振り返る。

「何がっすか」

「だってよー、俺去年近江先輩とだったけど、ちょー忙しかったぜ」

「あぁ、近江先輩目当ての女だろ?見ててすごかったもんなー」

「女?」

「あぁ、近江先輩ってあの容姿だろ?」

「それにバスケ部の部長やってるくらいだから、運動もできるし」

「成績は常に上位で頭もいいし」

「「「学園1の人気者だぞ」」」

「ふーん」

会話をする先輩たちに、俺は興味なさげに返す。

「でもお前ら俺のこと羨ましがってたじゃん」

「そりゃーそうだろ。だってそこらの女よりも美人だぜー」

「色気もあるし」

「「それを独占できるんだからさー」」

先輩たちの話はどんどんヒートアップしていく。

「ま、頑張れよ1年。あの人自身は優しいから心配すんな」

そう俺にはにかんで去っていった先輩たち。

しかし俺は名前も知らない。

いらない忠告をありがとう。

そう思うことしかできなかった。

その時は・・・

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!