光蝶
1
真っ暗な世界。
目を開けているのか閉じているのかもわからないそこで、俺はさまよっていた。
足は地面に触れているのかもわからない。
なんでこんなことになったのだろう。
昨日まで、いや、きっとついさっきまで平穏に暮らしていたはずだ。
だって俺の頭には俺としての意識があるのだから。
でも、それを思い出そうとしても頭には浮かんでこない。
今まで自分が何をしていて、自分の身に何が起こったのか。
それを知る方法は今の俺には無かった。
自分が誰であり、何者なのかも・・・。
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