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02
そんな昔のことを思い出す。
あの頃は幸せだった。
明日も明後日もその次の日も
手を伸ばせば君が、
私より少し大きい君の手を差し出してくれると
…そう、信じていた
だけど、
「ねぇ、聞いてる?」
「ん、あー…うん」
丸井くんは窓の外を……
グラウンドを見つめながら、
けだるそうに頷いた。
分かってるよ
君が何を見ているのか
知ってるよ
やっぱり私なんかじゃ君を満たせないのかな
あの子じゃなきゃ
駄目なの…?
でもね、君なしじゃ
私はもう生きてはいけないの
それほど、君に依存してるの
大好きなんだよ
だから私は今日も何も気付かないふりをするんだ。
―――――………
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