夢幻未来
T
コトッ
「ありがとう、新八君」
「いえいえ。こんな所でよければくつろいで行ってくださいね」
凛花が目の前に置かれたお茶にお礼を言うと、新八は照れた様に頭をかいてその向かい側のソファーに座った。
銀時は復活したようで、凛花の隣でジャンプを読んでいる。
新八はそれにため息をつき、凛花に困ったような顔を向けた。
「すみません、折角銀さんに会いに来てくれたのに。この人はジャンプばっかり読んで・・・」
銀時はその言葉に顔を少し上げると、気だるそうな声で言った。
「バカヤロー、凛花は俺を通してジャンプを読んでるんだよ。俺達心通じ合っちゃってるから。だからほら、俺のこの辺に凛花のもう一つの顔が・・・」
ゲシッ
自分の額を指で叩いて言う銀時に新八が飛び蹴りを喰らわせた。
「気持ち悪いわアアアアアアアア!!つくならもっとマシな嘘付けよ!!何凛花さんを地球外生命体にしようとしちゃってんだよ!」
見事にふっとばされた銀時は、大きなたんこぶの出来た頭をさすりつつ起き上がった。
「いってえ・・・何しやがんだよ眼鏡エエエエエ!」
「眼鏡って何だよ!?僕の名前は新八です!」
「お前の本体眼鏡だろーが!大体よォ、ジミーのクセに何出張ってんだよコノヤロー」
「それは僕のせいじゃねェエエエエ!文句なら管理人に言えよ!!」
ぎゃーぎゃー喚く二人。
凛花はため息をつきつつも、笠の下から少し寂しげな笑みで二人を見ていただけだった。
[次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!