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夢幻未来

「君、新八君・・・っていうの?ごめんね、銀時が馬鹿な事したみたいで。大変そうな時にお邪魔してごめんなさい」


ふわ、と困った様に笑う凛花。

それを見た新八は、呆然と銀時の襟から手を離した。



そして、次の瞬間。



「すんまっせんしたああ!!」


自分も土下座しつつ銀時の頭を床にガンガンとぶつけた。


「え?ええ?」


さすがに困惑する凛花に新八は必死な形相で謝った。


「銀さんに拉致されて来たんですねそうですね!!すみません、なんでもするから警察だけはアア!!」


(銀時・・・;;)


内心、全然信頼されていない銀時に苦笑しつつも笑顔で首を横に振る。


「あはは、違いますよ。・・・私は銀時の昔からの友人です。まぁ、もう友人通り越して家族みたいな感覚ですけどね」


そう言うと、新八はもう一度目を見開いて。

そして、安心した様に笑って立ち上がった。



銀時はあのまま気絶したらしく、そのままズルリ、と床に倒れる。




「なんだ、そうだったんですか!勘違いしちゃってすみません。・・・あ、今お茶出しますから上がってくださいね」



そのままパタパタと慌しく奥の方へと戻っていった新八。

取り残された凛花は、しゃがみこんでそっと銀時の髪を撫でた。


「ねぇ、銀時。銀時の・・・銀時達の傍はいつもあったかいね。・・・私の知らない間にきっと色んな人と出会ったんでしょ?・・・その人たちが、少し羨ましいな」


ポツリ、とこぼして。


少しだけ寂しそうな笑顔を見せて、凛花は新八を手伝う為に奥へと行った。




一人残された銀時は気絶していたふりをやめ、もぞもぞと起き上がって胸元にいつも大切にしまっていた写真を取り出した。






「ばーか。お前は今も昔も一番大事な女だよ。・・・例え他の誰と出会ったって、忘れてた事なんてねーよ」





少し色あせた写真。


そこには、まだ幼い頃の凛花や松陽先生。

それに、桂や高杉も写っていた。




――それは、銀時のまだ誰にも教えていない宝物。

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