夢幻未来
壱
「さてと・・・、ここからどうするかな」
快援隊に江戸の端にある森まで送ってもらった凛花は、大荷物を抱えて江戸の街並みへと足を踏み入れた。
今までに見た惑星でもそうだったが、やはり中枢都市は人が多くて華やかだ。
・・・まぁ、その分悪人も多かったりするのだが。
「ま、そんな事より家を探さなきゃね・・・」
それから笠を深くかぶり直して再び歩き始めるが、不動産屋はなかなか見つからない。
それに加え大荷物なものだから、人々からの珍しげな視線が体に突き刺さる。
「困ったなァ・・・」
はぁ、とため息と一緒にそう呟く。
「ならアンタ、万事屋銀ちゃんに依頼なんてどうだ?」
気だるそうな返事。
驚いて顔を上げると、ふわふわの銀色が見えて凛花は目をまたたかせた。
「あ・・・」
(この銀髪の天パはもしかして・・・)
『凛花、どうだこれ!!新しく作ってみたんだけどよォ、なかなかじゃね??』
『わー!!凄いねぇ。本当に――ってなんでもできるよね!』
『凛花、褒めると馬鹿は調子に乗るからやめろ』
『んだとテメェ!!?・・・はっはーん、さては俺が凛花に褒められてるのが羨ましいんだろ!』
『なっ・・・ちげーよ!!馬っ鹿じゃねーの!?』
『うるさいぞ、二人とも!よさぬか』
『はっはっは、ほっとけー。喧嘩するほど仲がいいっていうきに。それにいつもの事ぜよ!』
『・・・それもそうだな』
『もうー、見てないで止めてよね!!―――もそこで納得しないでよ』
凛花は昔の記憶にフッと笑みをこぼして、“いつも”言うと彼が怒る言葉を口にした。
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