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夢幻未来


「……で、なんでヅラまで来るんだよ?」


桂一派のアジトを出ようとした時に小太郎に見つかり、そのままでは誰かに見られた時にマズいだろうと変装させられて今に至る。

(私に妖精のコスプレをさせようとしたのは断固阻止した)

銀時の面倒くさそうな声に、頭にたんこぶを作った小太郎が平然と答える。

ちなみにたんこぶはトゥインカーベルのコスプレをしつこく勧めて来たことへの鉄槌だ。


「ヅラじゃない桂だ。お前が左腕を負傷しているから代わりに左腕になってやろうというのに、何だその顔は」

「お前と一緒にいてロクなことになった覚えがねぇし」

「それはこちらの台詞だ。……はっ!もしや銀時、お前俺のいない所で凛花に○○○を〇〇するつもべらっ!!」

パーン!!と顔をはたかれて地に伏せる小太郎。
あーあ、何やってんだか。

「誰がするかっつーの!!!オイ凛花、このバカはほっといて行くぞ」

「やだー銀時キモい」

「なんでぇぇええええ!!!?俺ぁ今まで一度だってお前のことそんな目で見たことねーよ!!」

「死ね18禁天パ野郎」

「18禁の天パってなんだよ!!?俺の18禁はチ○コだけです!」

「チ○コ切り落とすよ?ちなみに銀時は存在が卑猥物だから」

「オイイイイイィィィ!!何それ存在がチ○コってこと?」

「いいえチンカスです」

「いいえセコムです」

「オメーは黙ってろおおおお!!」


復活してきた小太郎に再びパーン!と平手を入れる銀時。

私はわざとらしくため息を吐いて言った。


「もう、二人とも遊んでないで早く行くよー」

「凛花だってノッてたじゃねーか」


ぼそっと言われた言葉に満面の笑顔で振り返る。
銀時の顔がぴく、と引きつった。


「うん?銀時は存在がR18だから規制かけるべきだって?そっかそっか、そうだよね〜」

「え、あの凛花ちゃ○?〇〇○〇〇○○○……○〇〇〇〇!!??」

「さて、二人を助けに行こっか。ほら小太郎も起きて」

「うむ、そうだな」

「○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇!!!」

「ちょっと銀時、ピーピーうるさい」

「○○〇〇○〇、○〇〇○〇〇〇○○○」

台詞にモザイクをかけたせいでピー音しか聞こえなくなった銀時は抗議してるらしい。

けれど何を言ってるか分からないフリをして小太郎の腕を引いて歩き出す。

小太郎が隣で笑いをこらえているのを見て銀時がピー音を連発してキレた。


まったく、これから天人相手に喧嘩売りに行くなんて思えない緊張感のなさだなぁ、と苦笑する。
それは私にも言えることなんだけれど。

あの子たち二人はそう簡単にやられないと信頼してるからなのか、それとも精神的に昔…攘夷戦争時代よりも余裕ができたのか。

どちらにせよ、これ以上ここで足踏みしているわけにもいかないよね。
こんな悪ふざけをしていて間に合わなくなったら本当に笑えない。


何かというと過去への追憶にとらわれそうになる頭を振って、思考を切り替える。

銀時へのいたずらをやめにして、ふわりと微笑んで言った。

「行こうか」





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