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夢幻未来
一時の別れ
快援隊。
宇宙の様々な星を始め、地球でもちょっとした有名船。

その船は今、江戸の近くのとある森に(木々をいくらかなぎ倒して)着地していた。



「今まで本当にありがとう、みんな」

妙に静かな森の中に響くのは、顔が見えない様に深く編み笠をかぶった女性のやわらかな声。


「・・・本当に行くのか」

少し楽しげにも聞こえる少女の声に、心配そうに快援隊の幹部の一人である陸奥は尋ねた。
彼女は小さく笑って頷き、笠を少し上げて顔を見せながら口を開いた。


「勿論。銀時や小太郎は何年も顔を見せてなくて心配してるだろうし、晋助に至っては私が死んだままだと思ってるだろうから早く顔を見せたいの。・・・まぁ、私が会いたいっていうのもあるんだけどね?」


その言葉に陸奥は少し寂しそうな淡い笑みを浮かべた。

「・・・そうか。いつでも帰ってくるといい。ここは凛花のもう一つの家だからな」

凛花と呼ばれた少女は少し驚いた顔をして、それから嬉しそうににっこりと笑った。

「うん!ありがとう、陸奥。それじゃあそろそr「凛花〜〜〜〜!!!!!!!!!」・・・辰馬・・・」


しんみりとした空気の流れていた所を思いっきり破壊され、更に緊張感の無い某もじゃもじゃのあげた叫びに凛花は思わずがっくりとした。

陸奥に至っては完全に冷めた目でKYの主を見ている。



「凛花、おんしの為に用意した生活品セットじゃ!本当はずっと一緒に旅したかったが、仕方ないぜよ・・・。たまにはわしも顔見せに行くじゃき、凛花も顔出すぜよー。でないと、わしゃあ寂しくて死んでしまうきに」


そんな冷たい目線に気付かずに大荷物を凛花、というらしい少女に手渡すとぐすぐすと鼻を鳴らすモジャモジャ…辰馬。

凛花は小さく苦笑して辰馬の頭をよしよし、と撫でて笑った。


「どこの兎?・・・でもありがとう、辰馬。私の事は大丈夫だから、ちゃんとお仕事しなきゃ駄目だよ?陸奥を困らせないようにね」

ニコニコとしてそう言う凛花。

辰馬はそれでも少しだけ不安そうな顔をしていたが、やがていつもの人を安心させる笑みを顔に浮かべた。


「・・・凛花がそう言うなら、きっと大丈夫じゃのう。忘れるんじゃない、わしらは例え何があろうと凛花の味方っちゅう事をな」

辰馬の言葉に頷く快援隊の面々たち。



凛花は、それを聞いて一番きれいな笑顔で最後に微笑んだ。


「知ってるよ。だから私はここまで進んでこれたんだから」

そして、少しだけさみしそうな笑顔。

「また会いましょう、みんな。本当にありがとう」



一陣の風が吹いた。


次の瞬間にはもう、凛花の姿は見えなかった。

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