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夢幻未来
two
凛花は顔に笑みを張りつけて話し始めた。

「今から20年くらい前に、とある家に双子の兄妹が生まれたの。・・・その兄妹はまだ幼い頃から仲良しだった。何をするのも一緒で、2人とも本当に幸せだったんだって」

そこでお茶を一口飲む凛花。

新八はその話に違和感を感じて、首をかしげた。


「・・・‘だった’?過去形なんですか?」

凛花は小さく笑った。

「正解。新八君は頭がいいのね」

「いや、それほどでも・・・」

新八はその言葉に、頭をかいて照れた様に頬を染めた。

・・・だが、そんな新八をどん底に突き落とす様な発言をする男が一人。

「凛花、あんまり褒めんなよ。新八はすぐに調子に乗るぞー」

「お前にだけは言われたくねーよ!!この前お世辞で格好いいって言われてにやけてたのは誰だ!!」

銀時・・・、相変わらずモテないのね。

新八の言葉に笑顔を浮かべつつも、その目の奥に妖しい光が宿る凛花。


それを見た銀時は叫びに近い声を発した。

「おいテメェ新八ィィィ!!何凛花にいらねぇ事言ってんだよ!!またそのネタでからかわれるじゃねーか!!」

が、当の本人の凛花は飄々としたものだった。

「やだなぁ、銀時?私がそんな事する訳無いじゃん。今度お見合い組んできてあげるよ。天然パーマの天人との」

「何とんでもねー事言ってんだアァァァァ!!?俺は子供にはこの重荷を背負わせないって決めてんの!そんな事して俺と同じパーマになったらどうすんだ!!」

あ、突っ込む所そこなの。

天人とのお見合いにはつっこまないのかな?

でも確か天パの天人居たよなぁ。

快援隊に居た時みた気がする。

魚みたいな顔してたけど、パーマだったし?


凛花はその言葉にフッ、と笑いながら笑みを浮かべた。

「大丈夫だよ銀時。例え相手がどんなに魚みたいな顔をしていても、同じパーマ同士仲良くやっていけるよ。そして銀時は存在自体がパーだから。はい、これで万事解決」

「何も解決してねーよ!!ていうか何?存在自体がパーってどうゆう意味だコラアァァァァ!!」

私はほぅ、とまたお茶を飲んで一息つく。

まったく、銀時は何でそんなに暴れてるのかなぁ。

「ほら、そんなに怒らないで。少し落ち着いたら?小魚食べた方がいいよ」

「誰のせいだと思ってんだコノヤロー」

そうブツブツ言いながらも、結局は落ち着いて私の隣に腰掛ける銀時。

こうゆう所も相変わらずだな。


その事に僅かな笑みをこぼし、凛花は置いてきぼりを食らってる新八と神楽に向き直った。

「銀時のせいで話がそれちゃったわね。ごめんね、銀時にも悪気は無かったの」

「俺のせいなのか」

「うん」

小さくぼやいた銀時に笑いかけて、凛花は話の続きを始めた。


「で、その話の続きだけど・・・。じきに父親が死に、それから母親も病気になって。その兄妹の家はどんどん貧しくなっていったの」

何も言わずに話を聞き続ける2人。

銀時はまるで大丈夫だ、とでも言うかの様に凛花の手を握った。

その手を握り返し、凛花はまた口を開いた。

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