夢幻未来
one
凛花が神楽を連れて居間に戻ると、銀時と新八がまだ喧嘩をしていた。
「まだやってる・・・」
「本当に男ってどうしようもない生き物アルな」
苦笑しながら言う凛花と、諦めたような蔑んだような目をする神楽。
凛花はまだ幼いのにそんな目をする神楽の将来が激しく心配になった。
「(神楽ちゃんの銀時を見る目がゴミを見る目だ・・・)あれは特殊だよ。世の中の一般市民はあんなに馬鹿じゃないから。・・・というか、銀時がロクでも無いだけだよ」
さり気なく失礼な発言をする凛花。
それを聞いていた銀時が喧嘩の手を止めてツッコミを入れた。
「凛花ァアアアア!?ちょ、それ酷くない!!?仮にも昔からの知り合いなのに!!」
すると、凛花は新八に入れてもらったお茶をすすりながら、その言葉に不思議そうな顔をした。
「え?私に天パの知り合いは居ないハズなんだけど」
「Σひでえええぇ!!」
ぐす、とソファーに座っていじける銀時。
それに新八と神楽が嫌そうな顔をした。
「ちょ、やめてくださいよ銀さん!鬱陶しいです」
「銀ちゃんキモいネ」
「何なのお前ら!?銀さん何か悪い事したアァァァ!??俺の心がブレーキングしそうなんですけど!!何で今日はそんなに冷たいんだよコノヤロー!」
ゴスッ
「ぐはっ」
「銀時、少しうるさいよ?今から大事な話するんだから静かにしてね」
言葉だけはあくまでも穏やかに、あまりにうるさい銀時に凛花がボディーブローを入れた。
呻きながら昏倒する銀時。
凛花はそれを見てにっこりと微笑みながら、新八と神楽に向き直った。
「今から、少し昔話をしましょうか。・・・ちょっと長くなるけど聞いてね」
さっきまでとは纏う空気の違う凛花にコクリと頷いた二人。
凛花はそれを見て、少し悲しそうな笑みを浮かべながら口を開いた。
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