夢幻未来
V
喧嘩真っ最中。
凛花は一人で出された紅茶をすすっていた。
するとそんな時、ガラガラと玄関の扉が開いて元気な女の子の声が聞こえた。
「たっだいまアル〜!!」
新八と銀時はそれでもまだ喧嘩をやめない。
仕方なく、ほぅ、と一つため息をついて凛花は女の子を迎えに廊下に出て行った。
「!!・・・誰アルか?」
万事屋の中から出てきた凛花を見て、チャイナ服を着た少女はわずかに警戒する様子を見せた。
傘を目の前に突きつけられ、それでも微塵も驚いた様子も見せずに凛花は微笑んだ。
「驚かせてごめんなさい。私は銀時の古い友人なの。今銀時達が喧嘩中で・・・。おかえりなさい」
その言葉に神楽は照れた様に視線をさまよわせ、すっと傘をおろした。
「・・・た、ただいまアル!・・・って、銀ちゃん達また喧嘩してるアルか?お客が来てるのに本当に男ってのは馬鹿な生き物ネ」
ふう、と呆れたようにため息をついてそう言う神楽にクスクスと笑って、凛花は頷いた。
「銀時は本当に昔から変わってないんだけど・・・、ちょっとは成長した方がいいかもね」
どこか遠い目をしながら笑って言う凛花。
少女はそれをまぶしそうにみつめて笑って、それからちょんと彼女の服の袖を引っ張って言った。
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