[携帯モード] [URL送信]

short
記憶の欠片
記憶の欠片






「…あの、あなたはどなたですか?」













こいつは何を言っているんだ…?

俺は混乱して周りのハルヒたちを見る。
ハルヒたちも驚き、俺の顔を見た。














ー数時間前ー


俺は朝比奈さんからメールを貰って、急いで救急病院へと走っていた。
ドクドクと心臓の鼓動が五月蝿い。
周りの景色なんて何一つ目には入ってこなかった。







バンっ!


「古泉は!?」


はあはあと息を切らしながら真っ白い病室に入る。


「まだ、目を覚まさないわ…」


ハルヒは泣きそうになるのをこらえてそう言った。





ハルヒ達の話を聞くと、古泉はバイトの帰りだったらしく、たまたまハルヒと朝比奈さんに会ったらしい。
それから少しだけ話して別れを告げた後、少ししてクラクションと共になにかがトラックにハネられた音がしたらしい。
ハルヒは嫌な予感がして、元来た道を行くと…



「こ、古泉くんがハネられていたのっ!私、どうしたらいいかわからなく…っ…て、そしたら、みくるちゃ…が救急車と…警察に連絡して…くれて…っ」


ハルヒはついに泣いてしまった。


「警察の人によると、信号を無視したトラックにハネられたようで…その人、酔っ払っていたらしいんです…」


ハルヒを落ち着かせながら、朝比奈さんがそう言った。

俺は信じられないことだらけで、混乱してしまって何も言葉がでなくて…

ただ傷は大分マシでいつものような古泉をただぼうっと見ていた。




そんな時、長門に呼ばれ、俺と長門は病室を出た。












「これは涼宮ハルヒが願ったこと」


長門が急に立ち止まり静かにそう言った。


「…っ!!なんで!?」


俺は病院だということも忘れて叫んでいた。


「落ち着いて。大丈夫、古泉一樹は死にはしない。涼宮ハルヒは、あなたとあまりにも仲が良すぎる古泉一樹を見て嫉妬していた。そして多分、あなたたちの関係を知ってしまった」


「………っ!?」


「涼宮ハルヒは“古泉一樹があなたの事を忘れればいい”と願った。だから、こんな事故が起きた。だから古泉一樹は死にはしない。」


そう長門に言われたが、俺はこの時だけはハルヒを許すことが出来なかった。









その後、俺たちは病室に戻り古泉の行方を見守った。
そして最初の場面に遭遇するのである……








少しでも古泉は俺を覚えててくれると思っていた。
しかし、長門の言ってたことはホントらしく、古泉は俺の存在だけを綺麗さっぱり忘れてしまっていた…。




なんだよ、今日の朝まで「キョンくん!!」って胡散臭い笑顔で俺に笑いかけていたくせに…っ!

なんで俺のことだけ忘れてしまったんだよーー…









深夜、家に帰ると今までのことが一気に理解できたかのように俺は少しだけ泣いた。


次の日から交代制で古泉の見舞いに行くことになった。














「今日は●●くんなんですね。本当にご迷惑をかけてしまってすみません…」


毎回、本当に申し訳なさそうに古泉が謝った。
いや、それとも俺を忘れてしまったことへの申し訳のなさなのか…
ふつうに見るといつもの古泉と錯覚してしまいそうになる。
が、古泉が俺のことを名字呼びで呼ぶからまた現実を突きつけられ、泣きそうになるわけなんだが…




「…俺は全然かまわん。けど、その名字呼びはなんとかならんのか。お前が名字で呼ぶなんて気持ち悪すぎる」


古泉を不安がらせないために俺はなんとか、いつもの俺を演じる。


「ああ、すみません。確か僕はあなたのことを“キョンくん”と呼んでいたんですよね?」



ズキっ



ああ、本当にこいつは俺のことを忘れてしまったのかと悲しくなる。


「…ああ。」

「しかし、どうして僕はあなたのことだけを忘れてしまったのでしょうか。涼宮さんたちのことは覚えているのに。あ、そう言えば毎日涼宮さんが来てくれるんですよ。それでーー」



嫌だ、そんな話は聞きたくない…っ!
古泉の口から他の奴の名前なんて言わないでほしいっ。








古泉は俺と付き合っていたんだと言えたら、どんなにいいだろうか。

お前は俺を好きなんだと言えたらどんなに幸せだろうか…



しかし、それは順調に回復に向かっている古泉を混乱させるだけで、何もならない。




もう俺たちは元の関係には戻れないかもしれない…
けど、俺が我慢することで古泉が幸せになれるのなら、俺は喜んでお前の元を離れよう…。













「…あの、●●くん大丈夫ですか?」

不意に古泉が俺を呼んだ。
しまった…古泉の話を聞いてやれなかった。


「あ、ああ、すまん;;ちょっと考え事をしててな」

「すみません、僕の話退屈でしたね;;」


ああ、俺のバカ!!!
古泉に気をつかわせてどうするんだ!!!


「いや、違くてっすまん!!古泉ーーー」


ガラっ


「古泉くん!!調子はどう?」


俺が謝ろうとした時、ハルヒが病室に入ってきた。


「涼宮さん!!」

「あら、キョン!来てたのね!!」








なんだよ、なんでハルヒが来るとそんな嬉しそうな顔するんだよ…!

今の古泉はハルヒが好きなんだと知ってしまって、俺はいつの間にかハルヒに嫉妬していた。


古泉は俺が好きなんだ!!!
俺のものなんだ…っ!!!

そんな自分勝手で我が儘な言葉が次次と頭の中に浮かんでくる。




「古泉が好きなのは俺なんだ!!!」




気がつけば俺は叫んでいた。

二人ともびっくりして俺を見た。




ああ、やってしまった…
俺はなんて哀れでバカな男なんだろうか…
ホント勝手に嫉妬して古泉は俺の事が好きなんだと決め付けて………自分が醜い。




「ごめん、ハルヒも来たことだし俺帰るわ!あ、あとこれからは忙しいから病院にも来られない。すまんな、古泉!ハルヒと仲良くやれよ!!」






俺の最後の別れはちゃんといいものだっただろうか?
ちゃんと笑えてただろうか…?


俺はいたたまれなくなって即座に病室を出た。












病院を出るとまだ冷たい風が通りぬけ、俺を更に悲しくさせた。



…ぐすっ



泣かないと決めたのに。流れ出した涙は止まることを知らない。
別れというものはこんなに辛いものなのか。



でも、これで古泉は幸せになれるんだ。

俺がしたことは正しいことなんだから、もっと胸を張らなければ…。












パジっ


その時何かが俺の手を掴んだ。








「もう来ないってどういうことですか、僕何かしてしまいましたか?」







それは紛れもなく古泉だった。
俺は慌てて下を向いた。

「いや、何もお前は悪くなくて、ただこれからは忙しくなるから…」

「嘘だ。では何故泣いているんですか…」


古泉に顎を持ち上げられ、上を向かされる。


「い、いやだっ」


俺は慌てて古泉から離れようとしたが、古泉の手がしっかり俺に回されていて身動きがとれない。





「……涼宮さんからいつもあなたの話を聞いていました。涼宮さんは本当にあなたのことが好きで、好きで仕方がなかったようです。……でも、あなたは僕と付き合っていた」

「………っっ!?」




心臓がどきりとした。




「そして僕も涼宮さん同様、あなたが大好きだったと言うことも。最初はびっくりして戸惑いました。でも、涼宮さんからあなたの話を聞いているうちに、あなたがお見舞いに来てくださるうちに、僕は本当にあなたのことが気になって仕方ありませんでした。だから、僕はお医者さまにどうして一人だけの記憶がなくなってしまったのかを聞きました。……それは、僕にとってかけがえのない人だったから。一番強く思っている人だったから…と分かりました。」

俺はただ唖然と古泉の話を聞いていた。


「僕は今までのあなたの記憶がありません。でも、僕はあなたが気になるんです……だから今僕があなたを失えば、きっと後悔するでしょう。」


古泉は真剣にそう言った。









俺はまだ、古泉を好きでいていいのだろうか…
そばにいてもいいのだろうか…


「僕がそばにいてほしいんです」


その言葉に俺は再び涙を流した。
しかし今度は嬉し涙だった。


「お、れ…がいなくなったほうが古泉は幸せだ…っ…と思ってた。だからっ…古泉のそばを離れようと思った…っ!けど!!やっぱり悲しくて、涙が止まらなくて、古泉…と離れたくなくっ…て!!」


古泉は優しく返事をするように抱きしめてくれた。





「僕はあなたのことを忘れてしまいましたが、また好きになってもいいですか…?」

俺は恥ずかしくて、返事の代わりに力強く抱きしめ返した。
そしたら古泉が笑った。



ああ、なんてあったかいのだろう…











「…うっ!」


しかし急に古泉が、頭をかかえてうずくまってしまった。





「古泉!?」






俺はびっくりして何度も古泉の名前を呼んだ。




しかし、そのまま古泉の意識は途切れ、倒れてしまった。


















かちっかちっ…

時計の針だけが静かな病室に響いている。

今は夜中の2時。

あれから先生たちにも帰ったほうがいいと言われたが、俺は古泉のもとを離れなかった。









かちっかちっ…


もう何時間こうしているのだろうか。



あまりにも古泉が動かないので何回も息をしているか確かめた。



今度こそ、本当に古泉を失ってしまいそうで怖たったんだ。




そんな時、古泉の目がぱちりと開き目があった。


どきどきと心臓の音がうるさい。




また忘れられたらどうしようと不安だった。















しかし、古泉は笑った。
いつもの笑顔で「キョンくん」と。


俺は涙を隠すように古泉を抱きしめたーーーー…。













神様、また古泉(キョンくん)と出会わせてくれてありがとう


END

ーーーーーーーーーー

いやあ、実に長くなりすみません;^p^

だめだ。

まとまりがないorz

意味が分からない

話が飛びすぎ

文才を誰か下さい!

切実に(笑)

お詫びと言うことでおまけどぞ(^O^)





おまけ★

●「しかし、キョンくんがこんなに僕のことを思ってくれていたなんて、感激です!!!古泉は俺のだ…!!!はあはあww」

キ「あー…やっぱお前死んでくれ」

●「そ、そんな!!酷すぎます!!涙」

キ「あ、今思ったんだが、こんなんで簡単に俺のことを忘れるってことは、俺への愛ってその程度なものだったんだな」

●「………っ!!!???」

キ「そっか〜、ふーん(棒読み」

(スタスタスタ)

●「ああっ!!違うんです!!これは涼宮ハルヒの陰謀であって!!!!って待ってくださいよー!!!!キョンくーーーーーん!!!」

キ「(まあ、ホントは古泉が俺のことをまた思い出してくれて嬉しかったことは内緒にしておくか…)」苦笑い

●「仕方ないじゃないですかー!!きなんですー愛してるんですー!!!キョンデレとか萌えてしまったんですー!!!!まあツンデレも可愛いんですがね、はぁはぁ」

キ「……前言撤回。」







管理人は古泉を弄るのが大好きなようです(笑)

では!
ここまで読んでいただきありがとうございました!!

林檎(0210)


[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!