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ほんとのキモチ
ほんとのキモチ




「キョンくん、やっぱり僕たち別れましょう」

「……っ!!」




いつものように、まだ来ていないハルヒたちを待ちながら、部室で古泉とボードゲームをしていたときだった。
不意に古泉の手が止まり、俺の顔をじっと見つめたかと思うと古泉はそう静かに言った。










俺と古泉は男…同士なんだが、“恋人”だ。
俺だってびっくりしてる。
古泉に告白されたのは一週間前のこと。
俺は古泉のことがずっと好きだった。
だから凄い嬉しくて、俺としたことが、恥ずかしながら古泉の前で泣いてしまった。
うざい奴かと思われたかもしれない。
しかし、古泉は『僕も嬉しいです』と笑って抱きしめてくれた。
だからこの一週間、幸せで、凄く嬉しかったのに…










俺がびっくりしすぎて声も出せずにいると、古泉は椅子から立ち上がった。



「すみません、」

「…どうしたんだ?何かあったのか…?」



すみませんとしか言わない古泉に、俺は震える声を抑えながら聞いた。
いくらなんでも急すぎる。
また古泉にからかわれているのか?
それなら質が悪すぎる冗談だ。
早く「嘘ですよ」なんていつもみたいに笑ってほしい。
だから、俺は笑って「その冗談は笑えないぜ」と言ったが、古泉は顔を歪ませて「すみません…」としか言わなかった。
俺は焦った。
何度も古泉に理由を聞いたが答えてはくれない。
だんだん腹が立ってきて、俺は声を荒げた。



「俺のこと、好きなんじゃなかったのかよ!!何自分一人で決めてんだよ!!!」



すると古泉は今まで見たことがないくらい怒って


「あなに僕の気持ちは分からない!!!!」



と声を荒げた。
正直、初めて古泉の怒ったところを見て怯んでしまった。
俺の目からはポロポロと涙がこぼれ落ちた。
それに一瞬古泉は驚き、ばつがわるそうに俺から目をそらした。






ああ、もう俺たち終わるんだ…
そう思うと涙が止まることなく頬を伝う。



「…ごめん、古泉。俺、お前の気持ちを分かってやれなかった…。俺だけが幸せで、古泉には重荷でしかなかったんだな…ほんとごめん、もうお前のこと好きだなんて言わないから…うっ…ほんとごめんな…っ」









ああ、どうして僕は愛しい人を泣かしているのでしょうか。
僕は森さんに言われた。


「彼は神の鍵だから、私たちがどうにかすることはできない。涼宮ハルヒにとって彼は必要不可欠な存在であることを忘れてはいけない」と。



僕は悩んだ。
これは僕一人の問題ではない。
一瞬でも神を裏切ってしまった。
このまま僕の気持ちだけでキョンくんといると、彼をも苦しめてしまう。
だから僕は別れようと決意したのに。
逆にキョンくんを悲しませてしまった、何も彼は悪くないのにキョンくんに八つ当たりまでして。

僕だって本当はキョンくんと一緒にいたい。
もっともっと、僕しか知らない彼を見てみたい。
「古泉!!」っていつもの呆れたような笑顔で名前を呼んでほしい。


いつの間にか僕の頬にも涙が伝っていた。



「…古泉?」



不意に僕が泣いているのにびっくりしたキョンくんが僕の名前を呼んだ。



「…好きです」




僕がそう呟くとキョンくんは一瞬びっくりしたけど、まだ静かに僕の言葉に耳をかたむけていてくれる。
それが引き金になったのか、僕の気持ちが次々と溢れだしてくる。



「本当はキョンくんと離れたくない、もっとキョンくんと一緒にいたい…っ!!」

次々と言葉が泡のように溢れ出してくる。
キョンくんは優しい顔で僕の話を聞いてくれる。


「もっと…幸せになりたい」



キョンくんが不意に僕を抱きしめた。



「お前は誰よりも幸せにならなきゃいけないんだ」



キョンくんが優しい声で言った。



「でも…っ僕が幸せになれば、世界は崩壊してしまう…っ僕は神を裏切ったっ」



「誰も幸せになっちゃいけない奴なんていないんだ。ハルヒは神かもしれん。だけど、ハルヒにとって、お前は大切な友達で仲間でもあるんだ。…俺だってお前が…古泉が大好きで、…っ」



僕はか弱い彼の体を抱きしめかえした。



「…っごめんなさい!!キョンくんごめんなさい!!」



キョンくんの気持ちが素直に嬉しかった。
僕の心の中のモヤモヤが、一気に晴れた気がした。
キョンくんは泣いて謝る僕の頭を優しく撫でてくれる。



「……俺が古泉を幸せにしてやる。約束だ!世界も崩壊なんてさせないんだからな!!」





彼はそう言って笑った。

僕もつられて笑った。




どうして彼はこんなにーーー…














「…キョンくん、僕、今凄く幸せです」

「…ああ、俺も」




夕日が部室に差し込み、二人を優しく包み込んでいた。


end.

ーーーーーーーーーーー
なんだ、この臭い話はヽ(゜▽、゜)ノ
長いし、意味不明ですみませんっ!
初めからシリアスかよ!みたいなね(笑)
実はギャグに最後したかったのですが、出来なかったze★(ていへ★)
古泉があまりにも不幸な子なのでU^ω^Uww


ここまで読んでくださってありがとうございました!!!

林檎(0206)


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