→銀魂
舞い落ちるセツナイ結晶たちのように〜土方ver
外が、暗くなってきやがった。…結局朝から晩まで書類の処理で終わっちまったなあ。
…寒い。
いつのまにか灯油が切れたらしい。ストーブが消えている。
「はっ。どんだけ集中してたんだ俺は…。」
嘲笑。
毎日のようにくる犯罪の報告。窃盗なんてかわいいもんで、どんなに頑張ったって極悪、凶悪犯罪はあとを絶たない。
エグいもんは見馴れてきた筈だろう。何を今更。
「鬼の…副長だろうがよ。」
心が荒む。
…さみぃなあコノヤロ。
何故か、無性にアイツに会いたくなった。
時計を見れば5時すぎ。
この時間帯なら、どっかその辺ブラブラしてんだろ…。
「…見回りでもいくか。」
居ねえ…
いそうなところを回っているのに。
いや…こんな広い江戸で、適当に歩いていて見つかる方が珍しいわけだが。
それでも何時もは何故か出会う…ってのも不思議なもんだよなあ。
…寒い。雪でも降りそうだ。
なんて思ってたら本当に降ってきやがった。
チッ傘持ってくんだった。
最近、雪を見るのが少し恐い。
雪はアイツに似すぎている。
いつだったか此処等にも雪が積もって、その上をアイツと歩いたときに思った。
銀の髪、白い肌、白い着流し。
その肌は確かに熱を持っているはずなのに。
降り積もっていく雪とアイツが同化していくようで、雪ともに消えてしまいそうで、不安になってそっとその髪から雪を落としたら、
「なに撫でてんだよ…気持ち悪。」
なんついわれて微妙に傷ついたのを憶えている。
手のひらを空に見せれば、チリッと甘い冷たさを感じる。スウッととける。
見えなくなる。…消える。
「…っ銀時っ」
ああ、今すぐお前のところへ行って抱きしめたい。
そのまま冷たくなって雪になってしまいそうで。
熱を感じたい。
安心したい。
なあ…今どこにいんだよ。
寒ぃなあコノヤロウ…
fin
土方verです。た。
今は夏です。
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