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*妹設定でシリアス


 長曾我部軍の船内。ひんやりと冷えた廊下を1人の少女が早足で歩いていた。


 淡い銀の髪に髪よりも少し濃い灰色の瞳。顔立ちは幼く良く年よりも小さく見られたりする。


 少女はある一室の前まで行くとその扉を開く。其処には兄である長曾我部元親が机で書き物をしていた。元親は驚いたような顔で少女を見る。


「奈々。どうしたんだこんな夜更けに」


「……親兄様」


 少女、奈々は元親に近付くと抱き付いた。元親は最初は驚いたが口元を緩めるとそっと奈々の頭を撫でる。


「どうしたんだ奈々。何か言ってくれないと分かんねぇぜ」


「……親兄様は奈々の事、嫌い?」


 何を言い出すかと思い奈々を見ると彼女の手が微かに震えていた。それを見た元親の表情は険しくなる。


「……なんかあったのか?」


「ううん」


「嘘だ。何かあったんだろ。それとも俺には話せねぇ事なのか?」


 奈々の頭を撫でながら元親がそう言うと奈々は暫く沈黙した後、ゆっくりと口を開く。

「私の事、みんな恨んでるんだよね」


「なんでそんな事を言うんだよ」


 元親の言葉に奈々は顔を上げた。その瞳からは留めのない涙が溢れている。


「今日、ある女中さんに聞いたの。母上と父上はどうして亡くなったのって。そしたら教えてくれた。私のせいで母上は死んだって。それに父上だって母上が亡くなってすぐに亡くなったって教えてくれた。それって私が産まれたから父上も母上も死んだって事でしょ。そんな親不孝者の私がみんなに好かれてる筈がない!!」


「……」


 嗚咽を飲み込みながら泣いている奈々を見た元親は二の句が続かなかった。


 確かに奈々が産まれたのと引き換えとして母は死に、そのせい奈々で体調を崩した父は、その数年後になくなった。奈々のせいで2人は死んだと言っても過言ではないし、そう思っている者も少なくはないだろう。


 なら自分は。そう思った瞬間、元親は奈々を抱きしめていた。奈々は驚いたように元親を見つめる。


「親兄様?」


「奈々のせいで父上と母上は死んだかもしれねぇ。けど、俺にとってそんなもんどうでも良い。今、此処に奈々がいる。俺の妹として奈々が生きている。それだけで俺は充分だ。だからそこまで気にするな。そんな顔見たら父上も母上も悲しむぜ」


 奈々は目を見開いた後、元親に抱きつきながら声を上げて泣いた。全ての思いを洗い流すように。元親は彼女の背中を撫でる。その温もりがとても暖かった。


 次の日。あのまま寝てしまった為、首筋を痛めた元親の痛みによる叫び声が船内が響き渡ったとか。



 


※あとがき
くだくだやで〜。何書きたかったのか分かんないや( ̄∀ ̄)
ちなみにこの設定、最初は幸村さんだったのですが何時の間にか元親さんになってました。あら不思議。
こんな駄文読んで下さりありがとう御座いました。


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