RE:START(男主)
逃したタイミング
「コロン、かえんほうしゃ!」
「ダイル。みず、でっぽう」
「コーン!」
「ワニー!!」
ズカァァァァーン!!
ラジオとう。黒服の奴らに占拠されたそこで、シズクと俺の声が響き、次の瞬間、炎と水の攻撃が空間を切り裂く。それに飲まれた黒服の奴らは、地面で目を回していた。
先程気付いたが、こいつらの制服らしい黒服を俺は見たことがあった。確か、トウリを追いかけていた奴と同じだ。
相変わらず、服はダサかったが。
「ここに、リーダーがいるみたいね」
「どうでも、良い」
ぶんぶんとこの騒ぎを起こした張本人がいるらしい扉の前で、腕を振るシズクに、俺は溜め息を吐く。
シズクに流されて此処まで来てしまったが、今更ながら後悔した。
ここまでは、あまり強くない奴しかいなかったからか、ダイルも怪我無くこれたが、この先に行くのは、危険かもしれない。何しろ相手は、こんな馬鹿げた事を実行する奴だ。下の階みたいに一筋縄ではいかないような気がする。
俺的には、ダイルやトウリが傷付かない事が第一だ。
「シズク、こっからは、1人で、行け」
「え!? 今更、放棄!?」
「こっからは、一筋、縄じゃ、いかない。俺は、ダイルが、傷付く、のは、嫌だ」
「だからって、放置しないで下さい! 此処まで共に闘って来た仲じゃないですか!!」
「知らん」
「じゃあ、私も知らん!」
コウさんの馬鹿! と軽く開き直ったシズクは、思い切り目の前のドアを開け放った。しかも、がっちりと腕は捕まれている。これでは、必然的に彼女と共に部屋に入らなくてはいけないではないか。
しまった。逃げるタイミングを逃した。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!