短編小説 あー夏休み?(多勢) 「あぢぃ〜……」 悠輔は仰向けになりながら、パタパタと団扇を仰ぐ。 しかし、それも気休め程度 微風が前髪をなびかせるぐらいで、冷却効果はほとんどない。 かといって、力一杯仰いだら体力を奪われる上に、汗をかくだけだ。 最終兵器のクーラーも、電気代諸々の影響で使うことが出来ない。 しかもよりによって、今日は部活が休み 夏休み初日はぐーたらな生活で幕をあけてしまった。 「うおぉー、プール入りてぇ〜、アイス食べてぇ〜、南極に行きてぇ〜」 ゴロゴロする元気もない悠輔は、渋々立ちあがりながら、階段を降りて台所へと向かう。 冷凍庫をガサガサと音をたて、何か無いかと物色する悠輔 しかし、こんな日に限って何もない 仕方なく下の冷蔵庫から麦茶を取り出し、溢れんばかりの氷を入れてそれを一気に飲み干す。 そして 「ぬぁにが、あー夏休み♪だ! こっちは暑さで死にそうなんだよチクショー!」 キンキンに冷えた飲み物を飲み干した後で言うことか、とでもつっこみたくなる言葉を吐く。 そして台所を後にすると、身支度を始め、家の外に出て行った。 ─────… 「いやっほーーい!」 「ハァ……頭が痛い」 「まぁ、悠輔だから仕方がないよねぇ……」 そう、向かった先は他でもない 陶山学園のプールだった。 本来水泳部以外は使用禁止なのだが、海のおかけで、特別に使わせてもらっている。 「いやぁ、夏といったらプールだねぇ〜」 「休みなんだから、家でゆっくりしてれば良かったのに……」 「ほぅ……お前はあのサウナ状態の我が家にずっといろと言いたいのかな?」 「確かに、自室のクーラーは八月まで禁止されてるから仕方ないけど……」 「だったらいいじゃん♪」 「まぁ……」 そう言い残すと悠輔は再び泳ぎ始める。 そんな悠輔を見ながら、晃輔と海は…… 「平和だね、晃輔」 「全くです、こんな日がいつまでも続けばいいんですけど……」 そしてこの一年後 悠輔は全国制覇を果たし 二人揃ってエトワールへの留学が決定するのである。 ※何となくの思いつきで書いたので、よく分からないところばかりですが、読んでくれたみなさま! ありがとうございました! 7/22 [*前へ][次へ#] [戻る] |