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短編小説
悪夢(作者体験夢)
※これは作者が実際に見た夢を小説にしたものです、あまりおもしろくないかもですがよければどうぞ。
名前は偽名で行きます。
















─────…




「何のつもりだ、佐伯!?」




「拓司なら分かるでしょ? 私が………私がずっとアイツを恨んでいたことを………」




─────普段通りの放課後、普段通りの下校、それは当たり前の日常のごとく過ぎ去るはずだった。



 でも、今日だけは少し………いや、大分違ってしまったようだ。


 なぜ……なぜこんなことになってしまったのだろうか。


 目の前には刃渡り30センチはあろうかという包丁を持っている佐伯。


 俺とは仲が良い、ガールフレンドでもあったのに………


 俺の目の前にいるのはもはや佐伯の形をしたもので、佐伯では無かった。




「? おい、そこで何やって………」




「来るなあぁぁぁぁ!!!!!!!」




「──────………さよなら」






ドスッ.....









「えっ………」



 何かが突き刺さる鈍い音


 肉を切り裂き、凶器が通り行く



 俺の絶叫虚しく、その刃物は佐伯が憎み、殺したいとまで思った人物の心臓に突き刺さっていた。







─────その男の名は高山有史。



佐伯の元彼氏




「おぇっ…………」






 鮮血を吐き出しながら床に倒れ込む高山。



一目見ただけで分かった────




──────もう、助からないと。






「佐伯ぃぃ!! テメェェェ!!!!!!!」



「やめろ浅井!」



 そこにたまたま居合わせていた浅井証(あさいしょう)



 高山と仲が良かった浅井。



 親友を失った悲しみは計り知れない。



 我を失ったまま、身体任せに佐伯と突っ込むが………








「あなたも………死んで」





スパンッ...








「…………」









 高山に続き、浅井まで………。


 浅井は首が胴体から離れていた。


 コイツももう、助からない。


────もう佐伯は………











────狂っている。














 誰もが見ても一目瞭然だが、今クラスには俺一人しか居ない。


 残っていた二人は佐伯に殺された。




「でさー、マジあり得ないよね〜」


「く、くるな!」


「だってあいつがこくは……………い、いやぁぁあああああ!!!!!!」




 無残に転がった死体を見て、悲鳴を上げる女子たち。


 鞄を取りに来たのか、不幸にも現場にはち合わせてしまった。


 狂っている佐伯の次の獲物は──────



「…………アハハハ♪☆ 逃がさないよ?」



──────その女子たちだった。




「逃げろ!!」


「あ、あぁ………」



 腰が抜けており、全く動けなくなってしまっている。



 そんな中、佐伯は笑いながら近づき──────無残にも刺し殺して行った。






「佐伯! もう、辞めろ!!」


「何で? こんな世界、もううんざりじゃない………だから、私が作り直してやるの」




 殺戮をを繰り返すところを見ると、もはや戻ることはない。



 俺の言葉など、聞こえない────





─────このままじゃ新しい犠牲者を出すだけだ。





「何だよ、これ……!?」




 そこに現れたのはサッカー部の大田興毅(おおたこうき)、今残ってるクラスの男子はおそらく俺と興毅の二人、ここは生き残るためにも逃げるべきだろう。





「興毅、退くぞ!」



「!!? ………わかった!」



 俺の急な声にたじろぐ興毅だが、俺の言いたいことを理解すると、すぐに俺の後をついてきてくれた。



 俺と興毅は一回クラスから逃げ出し、一時的に佐伯をまくことに成功した。



─────…



「一体、佐伯はどうしたんだ?」


「わからない、でも今日は朝からずっと変だった」





 朝、か…………俺がもっと早く気がついていれば、こんなことには………。







「すまん………お前まで巻き込んじまって」


「気にするな、俺とお前の仲だろ?」


「………ありがとう」






 今からどうするべきか、俺と興毅は考え始めること数分。



 興毅が奇妙なことを言い出した。



「気になったんだが………今日職員ってみんなどこか行ったのか?」



「はぁ? 今日は5分短縮じゃなかったし、何もないだろ? 大体教員が居ないって………………」



「……………」








──────一つの悪寒が俺の脳裏をよぎる。



 もしそれが本当だとするなら……………







「見ィ付けたぁぁ♪☆!!!!」




 気がついたときには佐伯は俺達の目の前で血まみれになった刃物を振りかぶっていた。



「くっ、まじかよ!? 興毅、右だ!」




 俺の声に反応し、右にステップして交わす興毅。



 そして、佐伯の身体を突き飛ばし俺たちは一階へと降りていった。





─────…



「はっきり言えるのは一つ、これは普通の世界じゃない」


「この世界を抜け出すには、佐伯を殺すしか無いってことか………」

















──────本当に、それしか手が無いのだろうか。



 全員が助かる方法はそれしか──────











─────…











「くそっ、目を覚ませ佐伯!」


「あは、あははははは♪!!!??」






 くそっ、何で元に戻ってくれないんだ。

 あんなに………あんなに元気で可愛かった佐伯が、どうして………。




 どうしてこんな目に遭わないといけないんだ!?


「拓司! 伏せろ!!」


「っ!!」







 俺が伏せたとたんに頭上を横切る黒い物体


それは佐伯目掛けて一直線に向かっていく。



そしてそのまま、佐伯に激突した─────しかし








「アハ………アハハハ♪☆☆」









 不気味………一言で言えばそんな言葉が似合うだろう。



頭に直撃したにも関わらず、彼女は笑い続けている。




──────もう、こうするしかないのか…………。





「興毅………すまん。俺はケリをつける」


「いくよおぉーー!!♪」



「拓司!」








 俺は佐伯の斬撃をギリギリまで引きつけ、すんでのところでかわす…………が、若干頬に当たり、鮮血が吹き出る。



 こんなもの、痛くもかゆくもねぇよ…………



─────俺は佐伯の手首をつかみ、そして─────捻ったまま佐伯の心臓へと突き立てた…………





「あは…………あ、は……あ………」


「せめて………安らかに眠ってくれ………」






 刃物を心臓から引き抜く、と同時に噴水のように溢れ出る血液が俺の顔を赤く染めていく。



 もう終わった、もう佐伯も助からない。


 俺が…………俺が殺したんだ………。





─────チクショウ………






「拓司………」



「俺では、佐伯を助けれなかった。殺すしかなかった…………」


「もう起きてしまったことだ。で、これからどうする?」



「分からん……お前はどうして校舎へ?」



「忘れ物を取りに……な」



 歯切れが悪い話し方で話す興毅、自分がもっと早く来てれば……そう言いたいのか。


 たとえそれが事実だとしても、結果論だ

 興毅を責めることなど出来ない


 地を統べる神か……皮肉なものだ、恨むぜ神様よ。



「とにかく座っててもどうにもならん、何か行動を起こさねーと」


「とりあえず興毅、教室に荷物を取りに行くぞ……俺の荷物、全部入れっぱなしだ」


「俺もだ……」





 教室に戻る俺と興毅


 さすがに足が重い、体力には自信がある方なんだが……年かな


 そんな感じでゆっくりと階段を登る俺と興毅。





─────しかしこの雰囲気は一瞬でぶち壊された。






「興毅……」


「あぁ」



「あ゛あ゛ぁぁ!」



「う〜ぁあー」




 佐伯に殺されたクラスメート、殺されたはずなのにも関わらず……


 "ソレ"は動いていた。


 手加減する必要などない、もう"ソレ"には人間だった面影さえない


生きる物を食らう……








────"バケモノ"だ





「仕方ないな……」



「拓司」



「ん?」



「お前はこの運命を……恨むか?」



「さぁ、これが運命だったって……認めるしかないだ………ろッ!!!」




 近寄ってくるソレを近くに落ちていた鉄パイプで殴り倒す。


 その答えを聞いて、興毅はニヤリと笑った。




「お前らしい答えだぜ……」



 二人で武器を構え、目の前のソレと対峙する。



 フン、今はどうしてこんなんになっちまったか分かんねーが



 それを必ず解き明かしてやる!!!



 生き延びてな!!!!






























最後はちょいと格好付けましたが、夢で見たとおりの夢です。


まるで学園黙示録みたいですが、違います。


自分でもよく覚えていたと思います


まぁそれだけショックが強かったと言うことですね……


読んでくださったみなさまありがとうございました!

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あきゅろす。
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