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Gintama
人生楽あれば(高杉誕・幼少銀+桂+高)
たっかっすぎー!ちょっお前ら、何しに来たんだよ!
何って・・・高杉の誕生会に決まっておろう!あ、高杉のお母さん、お邪魔します。えっ?ケーキ?いえいえ気を使わないで下さい。僕たち晋助君と遊びにきただけなので。ほらっ銀時もちゃんと草履をそろえんか!高杉ーはやくー!

「いったい何しにきやがった!」
「それは・・・・」

桂は大きな風呂敷に包んだものを取り出した。

「人生ゲームに決まっておろう!」
「・・・・・は?」



人生楽あれば



今日は俺の誕生日だ。お菓子だっておもちゃだって親に言えば何だって買ってもらえる。
他の奴らからしたら羨ましいのかもしれないが、俺は今日という日が誕生日だという事を、恨んでいた。
出来るならなんでもう少し早く生んでくれなかったのだろうかと。幼馴染の小太郎は6月生まれ。
なんでアイツの方が俺より早く生まれてるんだ。
小太郎はいつも「俺のほうがお兄さんだからな。」と
俺の世話を焼く。うっとおしいったらありゃしない。
最近は俺よりよっぽど手のかかる銀時にその矛先が向いているようだったが。
それにしても、だ。
高杉はうるさい蝉の鳴き声を聞きたくなくて、
両耳を手で覆った。
夏休みなんて嫌いだ。誕生日なんて嫌いだ。みんなに祝ってもらえない誕生日なんて・・・・
そんな高杉の叫びをまったく無視し、通る声で高杉家の玄関に響いたのは、他でもない小太郎の声だった。


そして、ずうずうしくも上がりこんだ銀時と桂は、
高杉の部屋で人生ゲームを広げていた。

「はい、これが高杉の駒だ。あと始めの手持ち金は3000円だ。」

有無を言わさず桂はてきぱきと人生ゲームを組み立てる。小さな巾着からは、ぱらぱらと部品が飛び出しており、銀時がボードの上に置いていく。
結局、高杉が口を挟むことなく、ゲームは進行していった。

「あ、アイドルだ。」

職業選択の升目で止まった桂は声を上げた。
すでにフリーターに決定している銀時は、ちぇっと舌を鳴らした。

「ヅラのくせに。」
「ヅラじゃない!アイドルだ!」
「高杉は?」
「俺は・・・・・・・医者」
「おお!いいではないか!」

給料日が来るたびに高杉は2万円を得る事になる。
フリーターのお前とは格が違うんだよ。とばかりに
高杉は駒を進めた。

まあ、人生そう甘くないってことで。
人生ゲーム開始30分。高杉は窮地に立たされていた。
再度回った職業選択のマスでフリーターに転落していた。そんな高杉を見て、銀時がニヤリと笑って呟いた。

「なんか俺、将軍になっちゃったしい。俺の天下じゃね?」
「黙れバカ天パ。」
「まあまあ銀時、あまり高杉を煽るな。」


結局、人生ゲームで一番稼いだのは桂だった。
アイドルから超売れっ子アイドルになっていて、
本人曰く、「天性の才能だ。」ということだった。
「握手会にコンサートにすとりっぷ・・・なかなかアイドルとは忙しいものだな・・・」
「アイドルはストリップなんてしねーよ!なんだこの人生ゲーム!正規品じゃねえだろ!」

そんな人生ゲームがあってたまるか。と高杉は眉をひそめた。
それからいく分かして、嵐のような2人は去っていった。

「お友達とは遊べましたか?」
「母上・・・」
「夏休みでいつも寂しそうにしていた晋助が気になって仕方なかったのでしょうね。」
「・・・・」

夏休みなんか嫌いだ。
誕生日なんて嫌いだ。

「ははうえ、誕生日には人生ゲームが欲しいです。」

友達と過ごす誕生日は悪くない。

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