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機動戦士ガンダム SEED ARTEMIS
9P

「なんて数だ…こんな…」


キラはアルテミスから放たれたドラグーンユニットを半分以上マルチロックオンしていた。しかし、キラは肝心の攻撃が放てない。

あまりにドラグーンユニットの数が多く、全てのユニットを一撃で墜とすことができない。ストライクフリーダムに搭載された砲門の一斉射をしようものなら、砲撃の反動による不可避の一瞬の静止の隙に残った半数のドラグーンユニットにより蜂の巣にされるだろう。


ストライクフリーダムの装甲はキラ・ヤマトの操縦技術に応えるべく『攻撃が当たらなければ装甲など必要ない』とばかりに装甲に隙間を設け、機械でありながら人間に近い柔軟な機動性を得る構造をしている。

つまり、VPS装甲により実体弾は効かないまでも、ビーム兵器に対する防御力が著しく弱いのだ。そんな機体がビーム兵器の蜂の巣に遭えばどうなるかは目に見えている。


――ドンッ!


対策に囚われている間にキラのドラグーンの一機が一発の攻撃も放たぬままに上から放たれたビームに貫かれ爆炎を上げた。ドラグーンへの意識を一瞬でも緩めてしまった隙を突かれた形である。

続いて2撃3撃と砲撃が放たれるが、キラも生半可な腕ではない。一度気を引き締めれば、ドラグーンと自機を全ての攻撃から回避させながら迎撃し、立て続けにアルテミスの4機のドラグーンの撃墜に成功する。


「くっ……なんだ…?」


アルテミスのドラグーンに囲まれたフリーダムのドラグーンがまた1つ爆炎を上げる。キラは歯噛みしながらも、何かを忘れている感覚を覚える。致命的な何か大事なことを…


「っ!あの機体は!?」

『ここだ!』


いつしか大量のドラグーンユニットとビームの乱舞にアルテミスの本体を見失っていた。慌てて周りを探ると同時に強烈な殺気に戦慄を覚え、その感覚を頼りに確認も後回しに機体を後退させる。

キラのその反応の良さは直後真下から襲い来る攻撃が一撃であったなら十分に回避できただろう。しかし、アルテミスの放った腹部拡散ハイメガビーム砲は幾重もの束に分かれフリーダムに襲いかかった。

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あきゅろす。
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