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機動戦士ガンダム SEED ARTEMIS
7P

キラが戦闘宙域に駆け付けたのはヒルダが斬り裂かれたその瞬間だった。ヒルダはまだ生きていた。アルテミスの対艦刀はヒルダが咄嗟に間に挟んだギガランチャーをそれを所持する腕ごと斬り裂いたが、その爆風で刀身が砕けたのである。

しかし、ヒルダも無傷では済まない。大量の火薬と推進剤が詰まったギガランチャーの爆風は、それを所持していた右腕に止まらず、ドムトルーパーの右上半身を完全に吹き飛ばしていた。

コクピットも小さくないダメージを受けているのだろう。ヒルダの応答はなく、機体からは不吉な小爆発が各所で起こっている。もう長くはもたないのかもしれない。


「マーズさんとヘルベルトさんはヒルダさんをっ!この敵は僕が抑えますっ!」

『『了解』』


ヒルダを二人に任せ、キラはアルテミスへと向かい合う。ヒルダ機へトドメを差すでもなく、巨大な純白の翼を広げて佇む姿は畏怖を覚えるほどに美しく、禍々しい。


『ようやくお出ましか。お前がストライクフリーダムのパイロット、キラ・ヤマトだな?』


敵機からの突然の呼び掛けにキラは息を呑む。声質から判断してまだ若い、20代前半の男性だろう。キラは通信機の周波数を合わせ言葉を返す。最終的に戦闘に発展するとしても、少しでもヒルダの救助と相手の情報収集の時間を稼ぎたかった。


「貴方は、貴方達はいったい何なんですか!なぜ僕達を攻撃するんです!」

『俺達はインフェルノ・ウイング。俺達の目的は、お前たちコーディネーターと、それを産み出したナチュラルどもの、抹殺だ。』


語られた言葉にキラは再び息を呑む。コーディネーターを憎み、ナチュラルをも憎むと言う彼らがキラには理解できなかった。


「な、なぜそんなことを!無関係の普通に生活している人達を無差別に攻撃して何の意味があるって言うんだ!」

『俺達は傲慢なナチュラルどものエゴによって生み出され、そしてエゴによって廃棄されたコーディネーターだ。人並みに歩むはずだった道を力ずくで矯正され、改造された先で不合格の烙印と共に棄てられた、な。
俺達は全ての平和でのうのうと生きているナチュラルと諸悪の根源、コーディネーターどもを例外なく地獄の業火で焼き尽くす為に来た!』


アクラルの宣言に困惑するキラの背後で、限界を突破したヒルダ機のドムトルーパーが爆散する。それを合図としたかのようにアルテミスはストライクフリーダムへと突撃した。

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あきゅろす。
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