[携帯モード] [URL送信]

機動戦士ガンダム SEED ARTEMIS
2P
巨大な砂時計を思わせる宇宙居住区、プラントが群立する宙域に2つの隕石が浮かんでいた。大きさはモビルスーツが1機隠れられるかどうかと言うほどのもの。

この程度の質量ならプラントを構築している強化ガラスには余程の高速で衝突しない限りヒビも入らず、故に誰もこの隕石に興味を示していなかった。


―――


マグーナ・ティリスは愛機の計器を確認し小さな吐息を漏らした。ここは隕石にカムフラージュしたバルーンの内部、ノームガンダムのコクピットである。


「気付かれた様子はない…か。フェイズ1は無事に終了だな。」

『ま、こんな最初の段階でヘマしてちゃアクラル達に笑われちゃうでしょ』


通信機からフィリア・ティリスの快活な声がマグーナの呟きを一笑に伏した。隣の隕石に同じ様に隠れたシルフィスガンダムからの通信である。この通信は2つの機体をワイヤーで繋いだ接触回線を用いている為、盗聴される心配はない。


「……時間だ」


フィリアの通信に答えず、マグーナは機体に設置しているタイマーが間もなく0を刻むのを確認した。即座にフィリアから『了解』と返事が返ってくる。その声に先程までの気の抜けた感覚はなく彼女が一流のパイロットであることを伺わせた。


「3…2…1…行くぞ!」


タイマーが0を刻むと同時にプラントの数ヶ所で爆発が起こる。潜入した工作員が自分達が突入する場所の確保と敵防衛軍の出撃を鈍らせる為に港を爆破したのだ。

それを確認してからノームとシルフィスが同時にバルーンを放棄しプラントへ向けて出撃する。プラントを挟んで対局には同様にプラントに向けて飛ぶ2つの光点、サラマンダーガンダムとガンダムウンディーネの機影が見える。


「久々の実戦だな。さて、お手並み拝見といかせてもらおう」


マグーナの口が自然と笑みを刻む。そのまま爆発で半壊した第四宇宙港に機体を侵入させ、内部で牽引されたままの艦隊やモビルスーツを攻撃していった。

[*前へ][次へ#]

4/9ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!