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melancholy*
鐘が告げるさよならまでの時間



ああ、また。



また彼はあの子と一緒に歩いてる。



知ってる。あの子が彼に特別な感情を抱いている事位。



知ってる。彼もあの子を大切に思っている事位。



分かってる。私がこんな感情を抱いてはいけないって事位。



ちゃんと、ちゃんと。分かってる。



彼女の気分一つで世界は変わる。彼女の思い一つで世界は崩壊する。



分かってる。分かってる。分かってるからこそ、余計に辛い。



出来る事なら、この想いを彼に伝えてみたかったけれど。



でも、無理。だって私は、組織の人間だから。



あの子の機嫌を損ねないように。世界が崩壊しないように。



こんな想いは直ぐにでも捨てなければならない。捨ててしまいたい。



彼女が彼に笑いかける度に私の中で何かモヤモヤした物が広がってゆく。



彼が彼女に呆れたような微笑を向ける度に私の中で何かが痛む。



知ってる。知ってる。此れが何かって事ぐらいは。



だから、お願い。




そんな顔で此方に気がついてそんな顔で私に笑いかけないで。



そんな彼と私を見て制服の中の携帯がヴヴヴ、と振動する。



震え続ける機械音。あぁ、また、






         (彼女の憂鬱を消失させるべく私は今日も向かうのだ)


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あきゅろす。
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