小説
幸せ。
それからあたしもいつの間にか眠りについていた。
朝は当たり前のようにやってくる。
アキが隣にいるだけで、そんな「当たり前」がこんなはにも大切で、
奇跡のようで、不安にさえなるの。
アキ、あなたは今、何を想うの?
「おはよ。リカ。今日も綺麗だね。」
...一気に冷めた。
「そんな風に軽く言わないでよ。ぜんっぜん嬉しくない。」
そっかー、まあいいや、なんて言いながらあたしの額にキスをした。
「固まっちゃって、かわいーのな。」
完全にバカにされてる。
悔しいけどアキには勝てない。
怒ったフリしてそっぽを向いたあたしは、ただ幸せで。
こんな毎日がいつまでも続くなら、何も要らないと思った。
あたしは何か特別なことはできないし、
役に立つこともあまり無い。
居ても居なくても、世界はたいして変わらない。
例えばあした死んだとしても、同じように地球は廻る。
死にたいとは思わない。
でも生きたいわけでもない。
なのに、すごく生きたい誰かがあした死んだりする。
どうしてだろう?
大切な人ほど、急に居なくなる気がするの...。
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