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小説
叶うのならば
いくつかの星が木々の間から光ってみえる。


するとアキは草の上に寝転がって、よく見えるよと手招きした。



「あ!お姫様は草の上でなんて寝ないよな!」

ごめんごめん、と言いながら起き上がろうとした。

「構わないわ。」

そう遮って、あたしも同じく寝転がり、同じ星を見上げた。


いつしかあたしはアキをみていた。

それに気付いたのか、アキはあたしの髪を撫でてくれた。

その手が大きくて優しくて、すべてを任せてしまっていた。



「ずっとこうしていたい。」


「...そうだな。こうしていたいよ。ずっと。」


「...?」



ふと、せつなくなる目はどうしてだろう?



お互いの気持ちは通じあっているのに、隙間から風が入るような感じがするの。


気のせいかもしれないけどー。



「少し眠ると良い。大丈夫、どこにも行かないから。」




...そう言ったくせに、自分が寝てる。


そのとき。

アキの目から涙が流れた。



「泣いてるの?」

返事は無い。




どうして?

泣かないで。

ねえ、泣かないで。


あなたが悲しいと苦しいの。



神様?仏様?


誰に頼めばいい?



誰か、、、誰でもいい、、、

アキの悲しみを消してください。




あたしは願った。

無力なあたしは、ただ、願った。


何度も、いつまでも、願っていた。





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