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■耳から始まる恋もある!
15*

それから一週間後。


俺の隣には会長こと、速水旭様。

めでたく付き合うこととなった訳だ。

驚いたのは親衛隊に歓迎されたこと。

制裁を受けるつもりでいたのに、それはそれは拍子抜けだった。

隊長の先輩には、目に涙を浮かべながら、よかった、よかった、と抱きしめられた。

可愛い人だったので、役得である。

それが何故か会長にバレて、ベットの中でちょっと大変なことになったが…。


なんせ、会長の親衛隊は変わっている。

聞くところによると、隊長が会長の幼馴染らしいのだが、腐男子?というものらしい。

そういう人たちが集まって速水旭親衛隊は成っており、日々妄想にフケっているという。

いくら幼馴染だからといっても、校内でも屈指の人気を誇る速水会長の親衛隊を、腐男子集会の隠れ蓑にするとは、中々に凄い。

入隊試験が難しいという噂は、単に厳しい腐男子選定によるものだったようだ。

制裁も会長に確認をとって、注意という形で行われるため酷いものではなく、やはり噂は当てにならない。


しかし、腐男子だからなのか、それは定かではないのだが…ドアの前にコンドームが箱で置いてあったり、ローションがあったり、たまに大人の玩具も。

使われる俺の身にも…いや、そうではない、置かないで下さい…。

何故そんなに歓迎されるのかは本気で分からないが、嫌われるよりはいいので、文句を言うだけにしておく。



あの告白の日、なしくずしに事が進むかと思いきや、会長はきちんと一拍置いてくれた。

俺の話をちゃんと聞いてくれ、会長の気持ちも話してくれたのだ。

会長の声に反応して勃つ、という難問をクリア出来たのもそのおかげだ。


その方法は…あまり声高々に言えるものではないが…。


いうならば、会長の声を聞きまくったのだ。

主に、セックスの最中に…。

すると脳が学習したのか、単に慣れなのか、普段の会話では勃たなくなった。

そしてぎこちなかった会話も徐々に慣れ、まぁまぁ普通に話せるようになっていた。



「…トモ、…、…トモ?…、おい!」

「…ぇ、?…っは、はい!」

会長は俺をトモと呼ぶ。

ヨイチと呼ばれるのも捨てがたかったが、俺だけしか呼ばない名前で呼びたい、と言われてしまえば、仕方がない。

それに、その気持ちは、凄く分かる…。


「何ですか?旭さん。」

俺も、旭さんと呼ぶことを許されたから。

会長は旭か、旭さんで迷ったらしいけど…。

旭さんの方が、何かエロいということでこうなった。

…旭さんの思考回路は良く分からない。

が、理由はともあれ、そう呼ぶのはこの学校で、俺だけ。

そう思うだけで、顔が緩む。


「なんだぁ?そんな顔しやがって…。」

「はい?」

俺の部屋なのに、まるで我が物顔で居座る会長。

他愛も無いテレビを二人で見ているのだが、何故か俺の太ももの上には会長の頭が乗っかっている。

髪を撫でろ、とたまに言われ、言われるがまま撫でると満足気に笑う。

そんな些細なことですら、嬉しくてたまらない。


「あー、…まじで可愛いな、お前。」

「か、可愛い?」

言われ慣れないが会長は良く言う言葉に、未だ慣れず目を白黒させていると、会長は笑って少し身体を起こし、目元に小さくキスをした。


「可愛い、すげー可愛い。」

「…ち、…近い、です」

「…ククッ…近いと駄目か?」

「…分かってるくせに…意地が悪い。…近い、と、その、思い出すから…。」

顔は真っ赤になりながら、会長の頭に手をやると、会長は完全に起き上がり、その手を逆に掴まれて抱きしめられた。

「何をだ?」

言いながら、俺のあそこを触ってくる。

「…、っ…ば、馬鹿じゃないですか…っ、ン、…」

「…んなこと言って、…いい声、出てんぜ?」

「ちょ、わざと…」

そうすれば俺がどうなるかを分かっていながら、耳元で、しかも低音で囁いてくる会長。


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