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石楠花物語中学生時代
入れ替わり大作戦
白樺高原・コスモス湖岸
   麻衣、磨子、リータ、健司、千里

健司「てなわけでさ、俺何か変な夢見てたし…演劇祭とは関係もねぇ変なゲームやらされてさ?」
麻衣「変なゲームって、ひょっとして」
磨子「ナポレオン・青髭大砲ゲーム?」
健司「どい…で?」

   二人を見る

健司「なら、お前らもやったのか?」

   草に寝転ぶ 

健司「まぁ、どーでもいいけどさ?決めるならこんな遊んでなくて早くどんどん決めろってんだ!!」

   鼻を鳴らす。

健司「どいで、ほの前に俺まで参加しなくちゃいけねぇーのか…さっぱり分からん。」
リータ「まぁまぁ、そんなこと言わないで頑張れよ。くよくよしてて男らしくないぞ。」
健司「うっせぇー!!お前こそ、女らしくないんだよ!!」
リータ「あら、私いいんだよ。女はボーイッシュがかわいいって言うからね。」
健司「何処が…」
麻衣「ところで、健司?」
健司「ん?」
麻衣「あんたが前に言っていた、家庭教師の太郎くん…へー仲良くなった?」
健司「仲良くなった?だと?」

   鼻を鳴らす。

健司「仲良くなるどころか異様すぎて気味悪くて取っ付きにくいんだよ。」
磨子「ほんねに?」
リータ「ほんなのなら、一度私も会ってみたいもんだ!!」
健司「なら会ってみるか?俺の代わりにお前らの誰かが授業受けてくれる?…なーんてな。」
麻衣「ほーね、」

   悪戯っぽく

千里「確かに…僕も興味ある…。一度だけもしも、願いが叶うんなら、僕、一回でいいから誰かと入れ替わってみたいな。あるいは…男の子やめてみたい。」
健司「ん?お前元々、男の子じゃねぇーからいいんじゃね?」
千里「ぺシーっ!!うるさいっ!!」
磨子「入れ替えかぁ…理由は?」
千里「だって…いっつもママやおばさんに怒られてばかりなんだもん…。きっとさ、女の子だったらこんなに粗末にはされないと思うんだ。僕ってきっと女の子に生まれるべき人間だったんだよ…」
健司「確かになぁ…。俺もさ…テスト勉強で怒られるし、…なれるもんなら千里、お前になって素晴らしいピアノの才能を体験してみたいよ。」
千里「そ、そんなぁ…嫌だな健司くん、僕そんなに素晴らしくないよ。」

   照れる。

麻衣「ほいじゃあ私は…一回男の子になってみたいな。」

   悪戯っぽく

麻衣「ほいだって、冬場は女の子っておトイレでするの寒くて嫌なんよ。キュロットおろすら?パンツおろすら?」

   健司、千里、顔を赤くする。

健司「おい麻衣、堂々とほんな話、男の前でするもんじゃねぇーよ。」
千里「あぁ…。」
健司「麻衣、お前もトイレ行って…するんだな…。」
麻衣「何よ、当たり前ずらに。」

   男子たち、なにかを想像。

麻衣「これっ、健司とせんちゃんのエッチ!!何か今嫌らしいこん考えたずら?」

   二人に猫パンチ。二人はノックアウト。

麻衣「とにかく、」

   改めて

麻衣「でも、男の子は多分、冬でもおしっこの時はズボンを全部下ろさなくてもいいんじゃない?ほいだもんで偉い寒くない…」
磨子「確かに…」

   ニヤニヤ

磨子「男子トイレにだって堂々と入れる…」
麻衣「これっ、磨子ちゃんっ!!」
磨子「てへっ、ごめんなさぁーいっ。冗談だに、冗談!!」

   麻衣、磨子をこずく。

リータ「私は、別にどーでもいいや…」
健司「あぁ、男女共存だもんな。」
リータ「煩いわ健司っ!!」

   健司の股を蹴りあげる。

健司「ってぇーっ!!!何すんだよ!!」

   五人、わいわいと喋ったり遊んでいる。


柳平家

麻衣「ただいまぁ、」
望月の声「あ、お帰りぃ。」

   麻衣、入っていく。

同・台所
   望月、紡、糸織がおやつをしている。

望月「麻衣ちゃんお帰り。」
麻衣「わぁ、美味しさそう!!」
糸織「優作君が富士見まで行って買ってきてくれた、」
紡「苺大福だに。」
望月「早くおいでよ、勿論君の分もあるよ。」
麻衣「やったぁ!!ありがとう!!」

   一旦退室。


小口家・千里の部屋
   千里、ピアノを弾きながら考え事。

千里(性別入れ替わりか…夢の中でもいいからしてみたいな…)

   そこへ珠子

珠子「せんちゃん、お茶を持ってきたわよぉ!!」
千里「はーいっ、ありがとう。」

   ピアノをやめてぼんわり。

千里(或いは…僕が麻衣ちゃんで麻衣ちゃんが僕…なーんちって!!グフフフフフッ!!)
珠子(せんちゃん?)

   キョトンと首をかしげる。


岩波家・健司の部屋
   健司、勉強をやっている。側には太郎。

健司「俺が麻衣か…考えたこともなかったなぁ…。」
太郎「は?」
健司「なぁ、太郎…」
太郎「何で御座いましょう、若様…じゃない、健司くん…」
健司「もしさ、女の子と入れ替わっちゃったら…どうなると思う?」
太郎「え、え?いきなり…何をおっしゃるんですか?」
健司「例えばの話だよ、例えばの。」
太郎「例えば…そうですねぇ…」

   少し考える。

太郎「私とて男ですから、女人の体にもしなったら…自分でも色々と考えてしまいます。」

   微笑む。

太郎「色々と、男女違いますから苦労はすると思いますが、相手の大変さが見えてきてより、お互いをわかり会えるのではないでしょうか。」


柳平家・台所
   麻衣、大福を食べながら

麻衣「入れ替えねぇ…」


小口家・千里の部屋

千里「僕が麻衣ちゃん…」


岩波家・健司の部屋

健司「ま、あるわけはないけどさ…本当に入れ替わっちゃったらどうなるんだろ。」



   (夜は更けていく)
   千里は寝る前にコーヒーを飲む。麻衣は寝る前にトイレに入る。健司は目覚まし時計をセット。


   (翌朝)


柳平家・和室
   麻衣が目を覚ます。

麻衣「んー…」

   咳払い

麻衣「嫌だ、私少し風邪引いちまったかやぁ?喉の調子が…」

   そこへ紡、糸織

紡「おーいっ、麻衣?」
糸織「早く起きろよ。」
麻衣(あ、つむとしおだ。)

   起きる

糸織「おはよう、やっと起きたか。」
紡「はぁくご飯作ってくだや。」
麻衣「ご飯、ごめんごめん。今作るに。」

   着替えだす。

糸織「君…ちょっと…何て服着てんだよ?」
麻衣「へ?」
紡「ほーゆー趣味だったんだ…」
麻衣「はぁ?」


小口家・千里の部屋
   千里、顔をしかめて寝返りを打っているがパッと起き上がる。

千里「トイレっ!!」  

   急いでベッドを出て部屋を出る。


同・トイレ
   千里、ドアをどんどん

千里「ママ?ママだろ?早く出てよ!!ママぁ!!もうもれちゃうよぉ!!」
珠子の声「はいはいはいはい、今出るわね。」

   出てくる。

珠子「ごめんね、はいせんちゃんどーぞ。」
千里「ありがとうっ!!」

   飛び込む。


千里「早くっ、早くっ、トイレトイレ…」

   もじもじしながら

千里「?」

   何か違和感を感じるような顔。

千里(何?…何かが違うぞ?…何だ?)

   固まる。手はズボンにかけたまま
 
千里「って…そんなことは後だ!!とにかくおしっこぉ!!」
 
   ズボンとパンツを一気に下ろすが固まって青ざめ、又ズボンをあげる。

千里「っ…そんな…バカな…」

   鏡を見る

千里「僕って…男の子だよな?」

   ズボンを押さえる

千里「あぁっ、」

   おもらしをしてしまう。


同・台所
   千里、泣きながら。珠子、料理をしている。

珠子「あら、せんちゃん起きた?おはよう。」
千里「ママぁ…」

   者繰り上げる

珠子「まぁまぁ、朝から泣いちゃってどうしたの?」
千里「ママぁ…」
珠子「あらまぁ、」

   近付く

珠子「可哀想に、トイレ我慢出来なくなっちゃったのね…」
千里「だって、だって違うんだもん。違うんだ!!」
珠子「どうしたの?何が違うっていうの?」
千里「僕は…僕は男の子だ!!女の子じゃないっ!!」
珠子「え?」

   キョトンとする

珠子「何言ってるのせんちゃん?あなたは…」

   心配そうに抱き寄せる

珠子「あなたは…女の子でしょ?」
千里「え?」

 
柳平家・トイレ
   麻衣が入ってきて便座に座るが

麻衣「?」

   青ざめて固まる

麻衣「き、き、き、き…きゃーーーーーーーっ!!!」



   紡、糸織、食事をしているが驚いて箸を落とす。

紡「何事っ?」
糸織「今の、麻衣の声だよなぁ?」
 

同・台所
   食事をしている二人。そこに麻衣。げっそりとしている

麻衣「こんなん夢だ…夢だ…見間違えだ…。」 
紡「あ、麻衣。どーゆーだ?トイレ長かったな。」
糸織「お腹痛い?」
麻衣「ほんなんじゃないに…」

   放心状態で小刻みに震える

麻衣「私の体が…私の体が…」
紡「あんたの体が?どーしただ?」
麻衣「…男の子…みたい。」
二人「は?」
糸織「何言ってんの?」
紡「ほんなん当たり前じゃー…何言ってるだ?ふんとぉーに…」
麻衣「はいっ!?こっちは真剣に話しているのよ?」
紡「ほいなら私も、真剣に言うな…あんた、」
 
   真顔で麻衣をまじまじ見つめながら

紡「男の子だだもん、しょーがないじゃあ?」

   麻衣、ポカーンとする。

 
   (半日がたつ)
   麻衣、男である自分に慣れている。家でもどんなお転婆しても怒られずにご満悦。

麻衣(男の子…ふふっ、なかなかいいかもぉ!!出来れば一生このままいたって構わないわ!!)

   クスクス

紡の声「麻衣?ちょっと手伝ってや!!」
麻衣「ほーいっ!!」

   小粋に部屋を出ていく。


小口家・千里の部屋
   千里、まだ慣れておらず。トイレに行きたそうにもじもじ。

千里(何でこんなことになっちゃうんだよぉ!!もういやだぁ!!)

   泣きべそをかく。

千里(トイレ行きたいよぉ!!)

   部屋を飛び出る。


同・和室
   珠子がアイロンがけをしている。

千里「ママぁ…」
珠子「あら、せんちゃん。どうしたの?」
千里「トイレ行きたいんだよぉ…」
珠子「なら行けばいいじゃないの?誰も入っていないでしょ?」
千里「そうだけどさぁ…」

   もじもじ

千里「だっておしっこの仕方分からないんだもの…」

   珠子、キョトンとして千里を見る

千里「んーっ、もういいよぉっ!!」

 
   家を出ていく。


高島城・公園内
   麻衣がベンチに座ってルンルンとしている。

   そこに千里。

千里(トイレっ、トイレっ…どうしよう?誰に言えばいいんだろ…ん?)

   ベンチに麻衣。

千里(あ、麻衣ちゃんだ…)

   紅くなる

千里(でも、彼女になんてとてもじゃないけど言えないよなぁ…)

   麻衣、千里に気がつく。
 
麻衣「あ、おーいっ!!せんちゃんーっ!!」
千里「ん、おーいっ!!」

   少しキョトンとする。

千里(ん、麻衣ちゃん?あんなに声、太かったっけ?)
麻衣(せんちゃん…あんねに声、高かったっけ?)


   互いに近寄る。

麻衣「ちょうどいいとこに来てくれたわ。」
千里「ん、何?」
麻衣「ちょっとさ、」

   千里に耳打ち。千里、顔が紅くなる。

麻衣「いい?」
千里「え、ええっ?どうして…ぼ、僕男だよ?」
麻衣「だで頼んでるんじゃないの?」
千里「?」
麻衣「信じられないかもしれないけどさ…何か変なのよ。家族はみんな私が男だとばかり思ってる…私、男の子になっちゃったみたいなの。」
千里「へ?」
麻衣「あんたは?私はどっちに見える?」
千里「そ、そりゃ勿論君は可愛い女の子だよ!!」
麻衣「だら?ほの筈なんにさ、健司にだって会ってきたんよ?あいつも私は前から男なんだって相手にもしてくれない…だで頼めるんはあんたしかおらんのよ!!お願いっ!!」
千里「麻衣ちゃん…」

   真っ赤になってもじもじ

千里「実は僕も…」
麻衣「はぁ?」

   千里はもはや泣きそうな顔で事を話す。

千里「だから一日近くずっと我慢してるの!!朝、驚いておもらししちゃったけど…そのあとからずっと…。だって、トイレの仕方分からないんだもんっ!!」
麻衣「これは…どうもあんたの方が緊急事態みたいね。いいわ、ちょっとこっち来てみ。」

   二人、トイレに入っていく。


同・女子トイレ
   麻衣と千里。

麻衣「こんな光景、人が見たら誤解するわね。恥ずかしいでしょうけど…一回だけだからね、我慢してね。」
千里「…。」
麻衣「女の子におしっこ見られるなんて、屈辱よね…。」
千里「いや…大丈夫だよ…」

   千里、ズボンを脱いでいる

千里「うううっ…」
麻衣「又あんた、今日に限って…」

   千里のズボンを見る

麻衣「厄介なズボン履いてきたわね…。」
千里「だってこれ、凄くお気に入りなんだもん…ハギノでママに買ってもらったの。」
麻衣「へぇ、でもとっても可愛いに。あんたによく似合ってる。」
千里「ありがとう…うううっ、」

   ズボンを押さえて固まってしまう。

麻衣「大丈夫?…男の子だったら…ねぇ…」
千里「僕もう嫌だよぉ!!女の子になりたいなんて一生思わないから、だからもう戻りたいよぉ!!」

   泣き出す。

麻衣「せんちゃん、ふんとおーにほのままじゃもれちゃうに。」

   周りを気にしながら

麻衣「ちょっと貸してみ?」


   軈て二人がトイレから出てくる。

麻衣「せんちゃんありがとう…」
千里「いや、お礼を言うのは僕の方だよ、僕こそありがとう…」
麻衣「良かった、あんたがおもらししちゃわなくて…」
千里「うんっ。」

   涙を拭う。麻衣、くくっとわらう。

麻衣「あんたって人は…仕草もふんとおーに女の子のようね。」
千里「それって誉めてるの?貶してるの?」


   そこに磨子、健司、リータ。なんとも言えない顔で二人を見ている。

リータ「何て事…」
磨子「麻衣ちゃんが…千里君と…」
健司「女子トイレから出てくるだなんて…」

   麻衣、千里、ギクリ

麻衣、千里「ち、ち、ち、ち、違う違う違うって誤解だって!!」
千里「話を聞けばわかるよぉ!!」
麻衣「いえダメよ、へーなに話したってこの状況は分かって貰えないわ。」


柳平家
   数日後。

麻衣【こうして、初めの内は男の子の私をエンジョイしてた私ですが…】

   刺繍をしている。

柳平けいと「これっ麻衣、一体お前は何をしているのだ?ほんな女みたいなことを男はしてはならんっ!!男なら男らしく生きろ。いいな?」

   麻衣、ふんっと鼻をならす。

麻衣【みたいに、女の子のようなことをしたり、女のしぐさをするだけで怒られたり変な目で見られる。あれから一週間近くは経つが、いい加減女に戻りたいと恋しくなってる私です。】

 
小口家
   それから更に数日後の二週間近く

千里【僕もいい加減、女の子にはなれてきたけど、やっぱり男に戻りたいと恋しくなってる今日この頃…。未だにトイレ間違えちゃって男子トイレ入っちゃうし、男の子のような事やしぐさをするだけで怒られる。初めの内は、少し泣いたり怪我したくらいでは怒られないからとても満足で言いと思っていたのに…やっぱり、トイレが何よりの大打撃だよね?しかもなんか前よりもおしっこ近くて我慢できなくなったような気がするもん…。】

   鏡を見る

千里「僕の顔はこのままなのにな…体はすべて女の子って…何かへんで妙な感じだ…。」


麻衣【ほしてほれから更に数週間が過ぎたある日、最大の衝撃的な出来事が起こりました。勿論、私達の心はほのまんま、私は女、せんちゃんは男の子の心だもんで、ほりゃほりゃへー大変さやぁ。】

 

白樺高原・コスモス湖岸
   数週間後。健司、磨子、リータがいる。そこへ麻衣、千里。

リータ「お、来た来た!!おーいっ!!」
磨子「麻衣ちゃん…に、千里君じゃないの!!」
健司「二人一緒とは又、」

   目を細める。

健司「何だ?」
千里「い、いやぁ…」
麻衣「何でもないのよ、何でも!!」
磨子「それよりさ、今みんなで話とったんよ。」
麻衣「んふ、何を?」
健司「みんなでこれから温泉いかねぇーかっつー話さ。」
麻衣、千里「お、お、お、お…温泉っ?」
リータ「そうだよ、何そんなに驚く事があるんだ?」
磨子「麻衣ちゃん、確か温泉大好きじゃないの?」
麻衣「え?ええっ、えぇ…」
千里「ってこんはなに?僕が女湯で、」
麻衣「…私が男湯ってこと…よね、勿論…」
健司「てっめぇーら、」

   顔が赤くなる。

健司「当たり前だろう…何考えてんだよ。まさか麻衣、お前は女湯で?千里、お前は男湯に入ろうとしてたのかよ?」
磨子「うっそぉー、本当に?エッチぃ!!変態!!」
リータ「やらし、君がそんな子だなんて…見かけからは全く想像出来なかったよ。」

   軽蔑的に

リータ「人は見かけに寄らぬものとは良く言うけどねぇ…そりゃ本当にまさにこの事だ。」

   鼻をふんっと鳴らす。

麻衣「リータもはいるだ?」
リータ「あぁ、勿論いくけど…」

   麻衣をにらむ。

リータ「ひょっとして君、もしかして目当ては私の裸かい?この、」

   麻衣に蹴りを入れようとするが、麻衣、間一髪でそれを止めて、リータを背負い投げ。健司、磨子、千里、呆然。麻衣、手を払ってフッフッフッと息を吐く。


温泉・女湯
   磨子、リータが入っている。そこに千里。

磨子「あ、千里ちゃん来た!!」
リータ「早く入ってこいよ。」
「う、うん…」

   磨子、リータ、千里に近付こうとする。

千里「お願いっ、立ち上がらないでよ!!」
磨子「何よ、私たち友達で、お風呂何て昔から良く入ってるじゃん。」
リータ「そうだよ、私は今年が始めてだけどさ、おんなじ女なんだもん、恥ずかしがることないよ。」
千里「う、うん…」

   真っ赤になる。

千里(この方がぼくは変態だよ…みんな、仕方がないんだ…女の子達どうか許して…。)

   そっと湯船に浸かる。


温泉・男湯
   健司が一人でふざけながら入っている。そこへ胸まで隠した麻衣が恐る恐る。

健司「お、麻衣来たな。」

   見る。

健司「おいおい何だよ、女みたいに、しかも胸まで隠して…なんか気持ち悪いぞ。」
麻衣「ほいだって…」
健司「俺たち男同士なんだでさぁ、すっぽんぽんになっても大丈夫だぜ?」

   健司、上がろうとする。

健司「あー…俺何かへー暑いな…千里、ゆっくり浸かれよ。俺先ず先に体洗うからさ。」
麻衣「たたないでっ!!」
健司「は?」
麻衣「ほの下…タオル…」
健司「つけてるわけねぇーだろ、テレビ撮影でもあるまいし!!」
麻衣「だったらだめ!上がらないで!!」
健司「お前なぁ…」

   呆れてためいき。

健司「上がらなきゃどーやって体あらやぁいいんだよぉ?」

   お風呂から出る。

麻衣「ーっーっ…」

   口を覆う。

麻衣「キャアーーーーッ!!!」

   そのまま気絶。
 
健司「麻衣っ?おいっ、麻衣?ったく…」

   麻衣を涼しいところに寝かす。

健司「バカ…何、おんなじ男の体を見て悲鳴あげてるんだよ。」

   鼻唄を歌いながら体を洗い出す。


同・休憩室
   お茶やお菓子をする前景の人々

健司「って訳なんだぜ?」
磨子「女湯も…千里君が何かいつもの千里君と違ったのよ…。」
リータ「そうそう、私達から目を反らして会わせようともしないしさ、背中洗うって言っても今日は凄く拒否るしさ…何かつれないんだよなぁ…。」
千里「…。」

   麻衣、目を覚ます。

健司「お、麻衣…気が付いたか?」
麻衣「健司…」

   起き上がって真顔

麻衣「私…男の子何かじゃないっ!!」
健司「は、はぁ?何いってるの、お前…お前は」
千里「僕だって!!僕も…女の子何かでなっ!!」
磨子「へ?」
リータ「千里君?」

   麻衣、千里、決心したように息を飲む。

麻衣、千里「私(僕)たちは…」

声「簡単に入れ替わりたいって言っても、全てが言い訳じゃないんだ。こういった生活の難点もあるんだよ。」
麻衣、千里「あなたは誰っ?」
声「もう入れ替わりたいなんて思わないか?」
麻衣「一日だけでも懲りたに!!」
千里「僕もだよ!!頼む、お願いだ!!もう元に戻してよっ!!僕、おしっこしたいよぉー!!」
声「分かった、約束だよ。もし破ったら、少しでもそんなことを願ったら一生元には戻してあげないからね。」
麻衣、千里「はいっ、約束します!」

   麻衣、お前はの目の前が真っ暗になる。


柳平家・和室
   麻衣が目覚める。

紡「あ、麻衣おはよう。」
麻衣「つむ?しお?」
糸織「早くご飯作ってくれよ。」
紡「今日から東中だに。」
麻衣「へ?」
紡、糸織「宜しくなしてぇ。」
麻衣「今日から?」

   キョトンと首をかしげる

麻衣「東中って…?」


小口家・千里の部屋
   目覚まし時計がなる。千里、目覚まし時計を消すが、顔をしかめて寝返りを打つ。

千里「うーんっ…んー…」

   パット飛び起きる

千里「トイレっ!!」

   ベッドから出て急いで部屋を飛び出る。


同・トイレ
   千里、ドアをどんどん。

千里「ママっ、ママっ!!早く出てきてよ、トイレ!!おしっこもうもれちゃうよぉ!!」

   珠子が出てくる。

珠子「はいはい、せんちゃんおはよう。学校に遅れるわよ。早くなさい。」
千里「はーいっ、その前にトイレさせてぇーっ!!」

   飛び込む。


   千里はトイレの中で用を足しながら、麻衣は朝食を作りながらポカーンとまだ夢見心地。

   『石楠花物語中三時代別バージョン』
    本編…ここからスタート。
   

 


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