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石楠花物語中学生時代
看板娘

岩波家・台所

幸恵「健司、悟?ご飯よ!!」
健司と悟の声「はーい。」

   健司と悟が入ってくるが健司は入るなり、鼻と口を手で覆って顔をしかめる。

健司「今日の…夕食って…まさか…」
幸恵「そうよ、正解。あなたの大好きなセルリーよ。」

   食卓にはセルリー料理だらけ 

幸恵「どう?美味しそうでしょ?」
健司「バ、バカ…お袋…俺一体今夜はなに食べりゃいいんだよ?てかどいで、こんねにセルリー尽くしなんだ?俺がセルリー大嫌いってこんぐらいしってんだろうに!!」
幸恵「それはね、」

   悪戯っぽく。三人は食卓に就く。

幸恵「今度のイベントで母さんたち、払沢の婦人会は高原野菜のブースをやることになったのよ。その一貫で、セルリー料理コンテストってのをやるから、」
健司「だでって!!」
幸恵「その練習よ。勿論、母さん達もコンテストに関わってて、セルリー料理も振る舞わなくちゃいけないからね…」

   健司、青ざめる。放心状態。悟、健司の目の前に手を翳す。

悟「おーい、タケ…大丈夫か?生きてるか?」

   健司、そっと口にセルリーの唐揚げを運んで噛むが咳き込む。

健司「ぐふっぐふっ、」  

   慌てて水を飲む。顔をしかめる。

健司「やっぱ食えねぇーよ。こんなの人間の食うもんじゃねぇーな。」
悟「好き嫌い言うな。お前は大体好き嫌いが多すぎるんだよ。折角お袋が作ってくれたんだ。きちんと食べろ。」
健司「兄貴はっ!!」

   恨めしそうに

健司「俺が死んでもいいってんのか?倒れてもいいってんのかよ!!」

   ご飯と味噌汁だけを掻き込む。

健司「ぐふっぐふっ、んだよ、味噌汁ん中にも入ってやがる…」

   悟、幸恵、やれやれと顔を見合わせてあきれ笑い。

悟「親父が帰ったら、又言いつけてやろうかな。」
幸恵「雷落として叱られるわよ。」
健司「言うなら言えっ!!どうせ死ぬんなら雷に打たれる方が未だましさ。」


永延・店内
   大拍手、千里、固くお辞儀。

麻衣「凄いにチサちゃん!!私、ビックリしちゃった。あんなにピアノ上手いだなんて!!いつからっつったっけ?」
千里「五歳…」
房恵「んま!こんな特技もあれば、何も、申し分ないわ。早速明日から、入って貰いましょう…」
芳惠「お給事もあるから、数週間、ここで数ヵ月研修しましょうね。」
千里「え…えぇ…」

   麻衣、無言で微笑んで千里の肩を叩く。


永延・外
   城南の道。麻衣と千里。千里、少し気がかり。

麻衣「せんちゃん、どーした?」
千里「や、このままじゃ…とてもじゃないけどお家帰れないよ…叔母さんにこっぴどく叱られる…」

   目を潤ます。

千里「叔母さんの雷はとっても怖いんだ…ママも怒ると怖いけどさ…僕いつも泣いちゃうの…。それに叔母さんは、怒ると僕を押し入れに閉じ込めるんだ…」

   震えて泣きそうになる。

千里「ねぇ、麻衣ちゃんどうしよう?どうしよう?ねぇ、ねぇ!!」
麻衣「どうしても、ほのままじゃ帰れない?」

   千里、大きく頷く。

麻衣「制服は誰の?」
千里「眞澄…」
麻衣「眞澄ちゃんが、なら君の制服を持ってるんね。」
千里「うん…」
麻衣「なら、眞澄ちゃんのお家に行きましょう!!」
千里「えぇっ、今から?」
麻衣「ほいだってあんた、ほのままじゃ帰りたくないんだら?」
千里「そ…それはまぁ…そうだけど…」
麻衣「ほれ、行くに。」

   千里の手をごいごいと引っ張っていく。


永田家
   麻衣が呼び鈴を鳴らす。

眞澄の声「はーい、誰?」

   開ける。

眞澄「こんばんは、何だ。麻衣たんじゃない。こんな時間にどうしたの?」

   千里を見る。

眞澄「友達?」
千里「ふざけるなっ!!僕じゃないか、小口千里だよっ!!」
眞澄「あぁ、」

   プッと吹き出す。

眞澄「ごめん、忘れてた…女の子かと思ったよ…」
千里「おいっ、」
眞澄「ほー怒らない怒らない。とにかくまぁ上がりな。千里、あんたは私と交換した着替えとりに来たんだろ。早く着替えなよ。」
千里「う。」
麻衣「お邪魔しまぁーす。」
 
   麻衣、千里、家の中に入る。


同・居間
   麻衣と眞澄がお茶を飲みながらお喋りをしている。

   千里は別の部屋で着替えをしている。


   暫く後、千里、男子制服に着替えている。

千里「眞澄、ありがとう。麻衣ちゃん、お待たせ。」
麻衣「あぁ!」
眞澄「あんたの制服、私には少しきつきつだったわ。そんなに小さいのね。」
千里「うるさいっ!!」
眞澄「これが、チーちゃんがおもらししちゃった制服なのね。そんなことばかり考えてたわ。」
千里「お前なぁ…」

   眞澄に食って掛かろうとするが麻衣が止める。

   愛の鐘が鳴る。千里、ギクリと時計を見る。

千里「ヤバッ!!」

   愕然。

千里「門限アウト…結局叔母さんに叱られるよぉ…」
麻衣「門限は?何時?」
千里「6時…」
麻衣「よしっ、ダメ元でも走ろうっ!!」
千里「えぇっ、もういいよ…どうせ怒られるんだし…」
麻衣「簡単に諦めないっ!!少しでも早くついた方がいいらに!!ほの分、お説教も短くなるのよ!!」
千里「…うんっ。分かった。」

   二人、靴を履く。

麻衣「ほいじゃあね、眞澄ちゃん。お休み、又学校で!!」
眞澄「えぇ、又学校で!!」

   三人、手を降って別れて麻衣と千里は家を出ていく。

高橋家

麻衣の声「ただいまぁ、おば様!!遅くなってごめんなさい。」
房恵の声「お帰りなさい。いいのよ麻衣ちゃん、遅かったわね、お疲れさま。」


小口家

千里の声「ただいま…」

   玄関先に珠子と夕子が仁王立ちをして千里を睨み付けている。

千里「ママ…叔母さん…」
珠子「せんちゃん…今何時だと思ってるの?約束の門限は?一体何時でしたっけ?」
夕子「今までどこほっつき歩いてたんだいっ!!」
千里「そ、それはぁ…」

   夕子、千里の靴を無理矢理脱がせて手を引く。

夕子「ちょっとこっちへ来な。あんたのために、床はもう準備できてるんだよ…」
珠子「千里っ。これからたっぷりお説教よ。反省なさいっ!!」

   二人、千里の手をぐいぐい引いて奥の和室に連れていく。

千里「ちょっ、ちょっと待ってよぉ!!その前にトイレだけは行かせてよ。僕、凄くトイレ行きたい…」
珠子「いけませんっ!!ママ達のお話が終わってからになさいっ!!」
夕子「それまでは何処へも行かせないからねぇ!!」
千里「これには色々と訳があ…」
夕子「言い訳はなし。言いたいことがあるんなら後にしなっ!!先にまずは!!」
珠子「ママたちは今、本気であなたの事を怒っているのですからね!!」
千里「ふぅー…」
 
   トイレへ行こうとするも和室に連れ込まれて、そのままばたんと凄い勢いで障子がしまる。

同・奥間
   千里、睨む夕子と珠子の前に敷かれた座布団の上できっちりとおつくべをさせられて、少し俯き加減の上目使いで夕子と珠子を恐々、震えながら顔をしかめつつ見つめている。 

 夕子「千里っ、お前が中学に上がったばかりの時に母さんと父さんと約束しただろ?どうして門限が守れないんだい?」
珠子「ママはねぇ、門限過ぎたことを怒っているんじゃないんです。せんちゃん、あなたは約束を破るような子ではないと思っていたのに…ママ悲しいわ、どうして?」

   千里がしゃべる間もなしに、ベラベラと千里に説教をする珠子と夕子。千里、しゅんとしておつくべをしながら俯いている。

千里(トイレ…トイレ…)

   もじもじ。

   1時間後

珠子「さて、ママと叔母さんからのお話は以上よ。次はあなたの番、何で遅くなったのか正直に理由を言ってごらんなさい。」
夕子「聞くよ。」
千里「それはぁ…あのぉ…」

   口ごもるが目を見開いて真っ青になって立ち上がる。

千里「ごめんっ、その前にトイレ行かせてくださいっ!!もう我慢できないっ!!」
ママ「いいわよ、行きなさい。」

   千里、和室を飛び出ていく。

同・トイレ
   用を足す千里、フーッと長いため息をつく。

千里(いつも叔母さんのお説教は始まると長いんだよなぁ…でもよかった、トイレに行かせてもらえて…)

   流して出る。

同・奥間
   千里が戻る。

珠子「いいわ、せんちゃん、お勝手に行きなさい。ご飯にしましょう…お腹が空いたでしょ。」
千里「ママ、」

   夕子を見る。

夕子「仕方ない子だね、もういいよ。今度からはちゃんとしな…食べたら勉強するんだよ。」

   微笑む。

夕子「もうすぐテストだろ?じゃないと又、今日の倍お説教だからね。覚悟をおし。」
千里「はいっ。」

   三人、お勝手に入っていく。 
 
珠子「よりちゃんとただちゃんも、お夕食よ。」
頼子と忠子の声「はーい。」


同・台所
   珠子、夕子、千里、頼子、忠子が夕食をしている。笑いながらわいわいと食べている。


高橋家・台所
   麻衣と房恵も夕食をしている。

房恵「やっぱり、一人で食べるのとは全然違うわ。若い子がいるっていいわね…本当に娘のようだわ。」
麻衣「ほーですか?ありがとうございます…」
房恵「でも麻衣ちゃん、あんたはまだ14にもならないんだろ?母さんと離れて寂しくないかい?」
麻衣「えぇ、初めは少し寂しかったけど…へー慣れました。小さい頃からこんな感じですし、ほれに今はおば様がいらっしゃる。学校でも素敵な友達ばっかりですので。少しも寂しくなんてないわ。寂しくなればディンディーンとすぐにとんでいけますしね。何てったって原村ですから。」
房恵「そう、なら良かったわ。でも、辛かったらいつでも言ってね。」
麻衣「ありがとうございます。」
房恵「さぁ、明日はあなたにも手伝ってもらうわよ!!」
麻衣「はいっ!!」

   二人、食べながらお喋りをしている。
 
高橋家・果樹園
   翌日。麻衣と房恵。そして芳惠が果樹園の管理をしている。

麻衣「このかりんが…あのジュースになったりするのね…あぁ、いい香り…楽しみですわ。」
房恵「そうよ。全てが終わったら、あなたにもお礼にかりん水とかあげるからね。」
麻衣「わぁやったぁ!!ありがとうございます!!ほいじゃあ頑張らなくっちゃ!!」

   張り切る。房恵、芳惠、微笑んで顔を見合わす。

房恵「あ、芳惠、そう言えばチサちゃんも今日からなのよね…どう?来てる?やれそう?」
芳惠「えぇ、私がちょうど出てくるときに来ましたよ。ちゃんと挨拶も出来てねぇ、とても礼儀の正しい子よ。あの子ならきっといい看板娘になれるわ。今頃きっと隆彦に色々と教わっているわ。」


永延・フロア
   須山、千里。

須山「開店までに、全て終わらせないと行けないんだよ。君は女の子だから、力仕事はさせないから安心して。お客様が来たらさっき僕が教えたようにやってくれればいいよ。」
千里「はい、分かりました…」
須山「宜しくね。後、従業員専用のトイレがないからお客様用を使ってね。女の子は左だよ。」
千里「はい…男の子は?」
須山「男の子?」

   キョトンとする。

須山「男の子は…右だけど…まさか君、男の子に入るつもりじゃないよね?」
千里「え…」

   我に返る。

千里「あ、はい…えぇっ…」

   動揺。

千里(本当は僕、男の子なのに…女子トイレなんて入れるかってんだ!!)

   千里、テーブル拭きをしている。


   しばらく

千里「終わりました、須山さん!!」
須山「お疲れ様。なら少し休んでいいよ。開店までに30分ある。」
千里「はいっ。」

   千里、エプロンを脱いで椅子に腰かける。そこへ麻衣。

麻衣「彦兄ぃ、こんにちは!!」
須山「お、麻衣ちゃん、こんにちは。君の仕事は?もう終わったのかい?」
麻衣「えぇ、だもんで来たんです。これからもう少ししたら今度は原村に行かなくちゃ…呼ばれてて…」
須山「そうか、君も大変だね。」
麻衣「チサちゃんは?」
須山「あぁ、彼女はとても優秀でね…覚えも早いしよくやってくれるんだよ。」 
麻衣「へぇ、」

   千里のもとへいく。

千里「あ、」

   麻衣、小声で耳打ちするように

麻衣「せんちゃん、どう?」
千里「うん、ありがとう。なんとか順調だよ…僕が男の子ってこともバレてない…。でも、」
麻衣「でも?」

   千里、とても困った様子。

千里「ちょっと来て…」

   麻衣を店の外に連れ出す。

同・店の外
   千里と麻衣。

麻衣「どーしたのよ?」
千里「問題はトイレなんだよ…僕どーすればいいんだ?」
麻衣「ほりゃ勿論、女子トイレ…」

   千里、真っ赤になって動揺。 

千里「バカいうな、入れるわけないだろ!!女装は外見だけで中身はバッチリ男なんだ!!それこそ変態だよ!!」
麻衣「あら、」

   悪戯っぽく。

麻衣「私は、今のあんたなら男子トイレに入った方がよっぽど変態扱いされると思うに。」
千里「そんなぁ…そんなとこまで考えてなかったよ…どうしよう、引き受けるんじゃなかったよ…」

   ちらりと麻衣を見る。

麻衣「私を見たってへー遅いに。引き受けちまったもんは引き受けちまったんだで、コンテスト結果発表まで大人しくそのままやってるだね。」
千里「そんなぁ…って、」

   麻衣を二度見。

千里「コンテスト?何それっ?」
麻衣「話してなかったっけやぁ?」
千里「聞いてないよぉ!!…多分…」
麻衣「ほ?あのな、一番最後にこの諏訪市の商業団体の中で働いた看板娘の中から一番の看板娘に賞が送られて、グランプリをとれば一年間、諏訪大使・ミスかりん姫として…いろんな待遇も受けられるのよ。勿論、賞金も出るの。審査基準は簡単!接客マナーと立ち振舞いと笑顔、コミュニケーション、ほしてパフォーマンスだに」

   千里、青ざめる。

麻衣「ほんな顔せんでに。折角やるからには最後まで責任持って、グランプリとる勢いで頑張りな。ほいじゃあな…私行く。」
千里「え、もう帰っちゃうの?」
麻衣「ごめんっ、今日はこれから用事で原村へ行かなくてはならないんよ。この後も頑張りなね…辛いこんありゃいつでも言って。ほいじゃあね…。」

   店に顔を出す。

麻衣「ほいじゃあ彦兄ぃ、ありがとう。私へー行く。」
須山「そうか?紅茶一杯飲んでいけばいいのに。」
麻衣「ありがとう、又借りるわ。」

   店を出てどんどん駅方面へと歩いていく。千里、不安げにいつまでも麻衣を見送っている。

須山の声「源さん、そろそろ開店だよ。中へ入ってきて。」
千里「は、はーいっ…」

   千里、慌てて中へ入る。


   その頃の麻衣、電車に揺られている。微笑みながら窓の遠くを見つめて乗っている。


同・フロア
   夕方過ぎ。店の中は満員でかなり賑わいだしている。千里、不馴れな手つきで接客をしている。

客「姉ちゃん、可愛いねぇ。まだ中学生か?」
千里「は、はい…」
須山「えぇ、そうなんですよ。僕の姪でね、今年はもう年頃になったもんだからねぇ。今年はイベントの看板娘にとね、研修をさしてるんですよ。」
客「へぇー、須山さんにこんな美人な姪御さんがいたとはねぇ…」
客「なぁ姉ちゃん、後数年したら俺んとこへ嫁に来ねぇか?」
千里「よ、嫁?」
客「あんたみたいな可愛いの、他にこのド田舎そうはいないぜ。だで、美人を見つけたら早いもん勝ちよ!!俺、貰い!!」
客「狡いぞおい!!俺だってまだ独身なんだ!お前みたいなじいさんにこんな若い娘が嫁ぐわけないだろうに!!」
客「へっ、お前こそ冴えねぇ面してよくも言えたもんだぜ。」
客「僕、今日から君のファンになるよ!!」
客「そうだそうだ、俺もだ!!」
客「よーし、これからは楽しみと生き甲斐が出来たぞ。俺は仕事帰りに毎日でもここへ来るよ。」

   我も我もとの大騒ぎになる。千里、男性客に囲まれて、ほぼ押し潰されている状態。

千里(娘、娘って…おえっ、僕は男だぁ!!誰が男になんか嫁ぐものか!!おえっ、)  

   千里、やっとのことで抜け出す。須山の元へ行く。

千里「須山さん、助けてよ…」
須山「ありがとう、お疲れ様。モテモテだったね…ほら、少し君は休んでていいよ。ごしたいろ?」
千里「はい、ありがとうございます…そうさせて貰います…」

   奥へとヨロヨロと入っていく。

千里(全く…ここはキャバクラですかって…)


払沢公民館・会議室
   綿子、文子、英子、摩耶、幸恵、麻衣。

幸恵「あぁ麻衣ちゃん、よく来てくれたわね。はーるかぶり。」
麻衣「おばさんに、みなさん!!はーるかぶりにございます!!」

   深々とお辞儀。

麻衣「で、」
幸恵「今年のイベントの事よ。」
綿子「あなたに看板娘を頼んでいることは勿論分かっててここへ来たのよね?」 
麻衣「えぇ、先日健司のお母さんから連絡を頂きましたので…」
綿子「ならいいわ。そこで、あなたに今年やってもらいたいことはね?」
麻衣「はい、何でもお受け致します!!」

   健司がそっと入り口から公民館に入ってくる。会議室を覗く。

健司「っ!!」

   ドキリ。

健司(うそだろっ…麻衣だ。どいであいつもここにいんだよ?)

   嬉しそうにニコニコ。有頂天になってスキップ気味に公民館を出ていく。

文子「愈々、来週なのよ。だから」
麻衣「分かってます。ほの大役、しかとこの私が受けさせて頂きますわっ!!」
摩耶「頼んだわよ、麻衣ちゃん、」
麻衣「はいっ、任せておいてくださいなっ!!」

   幸恵は微笑むが、他のご婦人たちは心配そうで困ったように顔を見合わせて目配せ。舞麻衣は、敬礼のポーズをして真顔で真剣。ぴしりとしている。


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あきゅろす。
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